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チカラをあわせて日本の未来へ。
回を重ねるごとに毎年、新しいスターが登場し、毎年新しい歴史が積み重ねられていく中でもこの10年間というもの、変わらずに頑固に守られてきたのが「子どもたちの未来と希望のために」という選手たちの熱い思いだ。
「そこは徹底して続けてきたコンセプト」(小林浩美・日本女子プロゴルフ協会会長)。
女子とシニアと男子が、年齢も性別も、すべての垣根を取り払い、その年の最強ツアーの称号を獲り合う中でも、常に出場選手の脳裏にあるのが「for CHILD CHARITY」である。
今年も、入場券収入や、選手の獲得賞金の一部が難病を抱える子、家庭環境に恵まれない子に役立てられる。また3年前からは、東日本大震災で最愛の人を亡くした子たちのための復興支援も加わって、今年も改めて東北各地に思いを寄せる冬の1日となった。
次世代のジュニアゴルファーの底辺拡大を目指し、大会収益の一部が「ジュニアゴルファー育成基金」にも寄贈される。
開催当日には今年も、子どもたちを招いてさまざまなジュニアイベントが行われ、今朝は真冬の冷え込みに、コースに霜が降りた影響で、スタート時間が遅れて慌ただしい競技進行の中でも、昼食の時間も惜しんで選手たちは、後半9ホールのハーフターンを利用して、難病の子どもたちと触れ合いの時間を持った。
今年の女子チームは3人の韓国勢にも分かるようにと、韓国語で書かれたメッセージに選手たちも思わず笑顔に・・・!!
選手たちが熱戦を繰り広げるかたわらで開催されたジュニアレッスン会。各ツアーのプロとの実戦ラウンドは今年、初出場ながら、初キャプテンの重責をみごと果たした女子の成田美寿々さんも8年前に参加したといい、「青木さんと回らせていただいた」。
あのとき、憧れのプロゴルファーを前に幼い瞳を輝かせた少女がみごとに成長をとげて、いま堂々とレジェンドの前に立つ。
後半のシングルス戦では、17番ホールでその青木にバンカーショットの指南を受けるシーンは大会が10年の時をかけて種を蒔き、丹念に育ててきたものが、いま確かに大きく花開く瞬間を見るようで、誰の胸にも感慨深い。
PGAの倉本昌弘・会長も、LPGAの小林会長も、JGTO会長の海老沢勝二も、3団体の会長が改めてこの記念大会に胸に刻んだ思い。
「健康にゴルフができて、選手たちが活躍出来るのは、その土壌があってこそ。ゴルフで得たものを、少しでもお返ししていけるように。これからも社会貢献活動に力を入れていくのはもちろん、このような機会を与えてくださった主催者のみなさんには心からの感謝を伝えたい」(小林会長)。
倉本は「今後はよりギャラリーのみなさんが見やすい大会。エキサイトしていただけるゲーム方式を、みんなで考えていきたいね」と、新たな課題を提起した。
海老沢は「ゴルフを通じて何が出来るか。今後ますますジュニアを育てていける環境作りも合わせて考えてまいりたい。継続して貢献していける仕組みをみなさんと一緒に考えていきたい」と、記念の歳を機に揃って熱く語った。