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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2002

98年と昨年度のチャンピオン、宮本

出だし3連続バーディのロケットスタートでしばらく首位を走り、「98年大会の再来かと、思ったのになあ!」と苦笑いを浮かべたディフェンディングチャンピオン。
一時は、「誰もついてこられないかと思った」という展開は、今大会初優勝をあげた4年前とも重なったが、結局、5アンダー4位タイに沈み、「やっぱり、今週は名前のある人がちゃんと上に来ますね」
ジャンボ、片山の名がのぼるスコアボードを、わざとうらめしげに見つめたが、その横顔には、ほのかな自信が浮かんでいた。

調子が悪いときの宮本ならば、ホールアウト後、思いつめた顔で、すぐに打撃練習場かパッティンググリーンに向かうところだ。
だが、この日初日は、「まずはご飯でも食べようか、っていう心の余裕があるんですよ」
練習日からナイスショットを連発し、フェアウェー真中を捉える回数が、多い。そのことが、今週、表情を明るくさせている。

だがそんな宮本も、今季は、「史上、最悪のシーズン」(宮本)を過ごした。
勝ち星のないまま、賞金ランク26位で、今週の会場入り。
昨年の同ランク8位から思えば、かなりの低迷といっていい。
師匠の芹澤信雄には、「すべては、練習不足が原因」ときつく言われた。
シーズン終盤のいまごろになって深く反省し、足しげく練習場にむかって、ようやく調子が上向いてきた。

刺激も受けている。
この日、同組で回った横尾要は、日大時代の同期。
2週前のダンロップフェニックスで、ウッズ、デュバル、ガルシアを押さえて優勝したライバルが、まぶしくてたまらないのと同時に、負けたくない、の思いも強くなる。
この日は、その横尾とは、3打差つけてのスタートだ。

「真似したくても、そう簡単には真似できない、相変わらず、素晴らしいアイアンの切れ味…。でも今日は要に置いていかれることなく、一緒にアンダーパーで上がれたのは、とても嬉しい…」

大会史上5度目の連覇、また、尾崎将司、青木功、杉原輝雄、尾崎直道の、まだ4人しか達成していない大会3勝で、「今季の不満を、払拭したい」と宮本。
昨年覇者が、照準を定めた。

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