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女子が3年ぶり3度目の頂点に
中でも、3年ぶり3度目の優勝を、誰よりも熱く追いかけたのが“最年長メンバー”。大山さんは、男子の近藤と同級生だ。今年37歳は、「学生時代は私が日大で、近藤さんが専修大で」。しのぎを削ったのはもはや、遠い日(?!)の思い出・・・・・・。
他のメンバー5人がみな20代という中で、孤軍奮闘?!
「だって練習ラウンドから、青木さんが私のこと“おばさん、おばさん”って」。いくらツアー通算51勝の尊敬すべきレジェンドでも、さすがにアタマに来た!?
「悔しくて・・・。絶対にシニアには勝とうと思った」と、向こう見ずにもこの日は団体と個人ともに、最多の6ポイントをもぎ取り、見事にMVPに輝いて、大山さんにはみごとな鬱憤晴らしだ。
可憐な女子は、“女王アン”を筆頭にみな揃いも揃って、そうやすやすとボギーを叩かぬ安定感も、最終ホールでこそ火を吹いた。
特に3人の韓国娘は、これまた揃いも揃って圧巻のバーディ締めで男たちをやりこめた。
後半の個人戦は、2組目でやってきた申ジエ選手。5メートルを沈めて、前のホールでやっとこ追いついた竹谷を最後の最後に、再び容赦なく突き放すと、続いて“女王アン”も6メートルをねじ込み、最後の最後に追いつかれた金亨成(キムヒョンソン)も、度肝を抜いて「ハンパない・・・!」。
そして、この日はその美しさに男たちをメロメロにしたイボミ選手。最後も魅せた。
132ヤードは、8番アイアンを抜いた第2打。ピンそば1メートルのバーディ締めには、さすがの男たちも、参りました・・・・・・!
「今の女子ツアーの強さがここにある!」。そう思わず絶叫したのはシニア界の戦う会長、倉本昌弘。「若い女の子たちのひたむきさ、前向きさ」。それこそが、ファンの心をわしづかみにして離さない。「僕らにも、見習うものがある」と、男たちもひれ伏した。
でも、そんな勇猛果敢なハンサムウーマンも、最後はやっぱり乙女になった。大山さんが熱い思いを打ち明けた。
「ジュニアの頃の憧れだった直道さん・・・。今日は1日、ご一緒できて夢のような1日でした」と淑女にうっとりと言われれば、マムシのジョーもこれですっかり骨抜きだ。
大会は初出場ながら、初キャプテンという重責を負いながら、見事にチームをまとめて頂点へと導いた成田美寿々さん。「普段はツアーで怖い存在も、今回はチームのためにひとつになって共に戦い仲間から学び、シニアの方々から学び、男子のみなさんから学ばせていただきました」。
後半のシングル戦では、青木と池田との“キャプテン対決”にも浮かれるわけでもなく、「グリーン回りの技術の高さ。私たちには想像もつかないクラブを抜いて、戦われていた。本当に勉強になりました」とけなげに、「この経験をぜひ、来年につなげたい」。
来季以降もまだまだ、女子ツアーの黄金期は続きそうだ。