記事

ベテラン勢も活躍!

2004年の開催ながら、来季ツアーに加算されるアジア・ジャパン沖縄オープンは、宮里家の長男、聖志の涙の初優勝で幕を閉じたがその一方で、ベテラン勢の活躍が光った。2位タイには来季にシニア入りを控えた倉本昌弘と、今年アイアンマン賞受賞の45歳加瀬秀樹、さらに1打差8位タイに入った地元・沖縄出身の友利勝良は50歳だった。

倉本は先月のカシオワールドオープンで、ゴルフ人生初の長尺パターにトライしてから2戦目だった。昨年、8年ぶりの優勝を飾ったときに使っていた中尺パターから、さらに約10インチほど長くした45インチのそれが、ハマった。

「今年はずっとショットは良かったんですが、グリーン上に不安があるとどうしても、ショットやアプローチにプレッシャーがかかってしまって。だけど長尺を使い出したら、すべてが良くなった」。

約4週間前に、ほとんど“予行演習”なしで持ち替えた魔法の杖で初日から快調にスコアを伸ばし、最終日は6打差6位タイからのスタート。前日に続き67をマークして猛追したが、優勝には1打及ばず。

「優勝争いのときの、ハイテンションの中での長尺パターに課題が残った」と、悔しそうに振り返った。
「長尺でのパッティングはゆっくりとしたストロークが大事。でも、今日は力んでしまって…」。

最終日は4ホールで1メートル前後の短いチャンスを外した。6番では痛恨の3パット。最後の18番も、5メートルのチャンスを決められず「なんとか、もうひとつ取りたかったのに…。これだけ外すと、勝負にならない。緊張の中でも、いつもと同じリズムで長尺パターを使えるかが今後の課題です」と、反省しきり。

日本ゴルフツアー機構で副理事長をつとめるだけに、責任感で一杯だ。今回は、終身シードを持つ選手の中で、ただひとりの出場だった。
ほかのベテラン勢がオフを決め込む中で、「こんなときこそ、盛り上げたかった」。区切りのツアー通算30勝目こそ逃したが、存在感を存分にアピールした。

来年9月には、50歳の誕生日を迎える。すでに国内シニアの数試合の出場と、海外シニアツアーへのチャレンジを視野に、着々と準備を進めている“ポパイ”。
多忙の合間をぬって、山口県・萩国際大学の『国際学科ゴルフ文化コース』の客員教授として教鞭もとる。
「もっともっと、多くの人にゴルフを知ってもらいたいから」。
プレーヤー、ツアー役員、大学教授…。
さまざまな顔を持つ倉本が、2005年もゴルフ界発展のため奔走する。

関連記事