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シニアのPGAが6年ぶり3度目の頂点へ

勝因は、経験と技と尽きせぬゴルフ愛。シニアのPGAが、2位の女子に0.5ポイントの僅差で、6年ぶり3度目の悲願を達成した。2位はもう御免と、並々ならぬ覚悟で臨んだ。
倉本昌弘・会長は前夜の決起集会で、メンバーにひとつノルマを課していた。
「負けたら全員坊主だ!」。
しかし、こちらはそれほど、効力を発揮しなかったようだ。初出場の久保プロが、「僕はここに来る前から坊主ですが?」と言ったように、その年齢なりに、ちっぴり寂しいヘアスタイルの選手が今年はメンバー6人中3人も…(久保プロ、金プロ、山添プロ、スミマセン…!!)。

そこは危機感ゼロも、やっぱりなんといっても今年は、シニアのPGAが、大会運営の幹事協会だったこと。倉本会長が「今年はうちがピンの位置も、ティーの位置も決められるし、我々の有利なように、決めさせていただきました」と、潔く認めた。

「我々が有利ということは、LPGAも有利ですし今年は我々と、LPGAの優勝争いかなと思っていた」と、倉本会長の思惑どおりの展開はよしとしても、我らがJGTOがつい、首をひねりたくなるのは筆頭頭のマークセンである。

3年連続賞金王のシニアの雄は、「レギュラーツアーに来ても、飛ばし屋と遜色ない」(石川)。
それでいて、今回はJGTOよりうんと前のティから打つものだから、後半はペアの周吾と互いにひとつのボールを打ちあうオルタネートの最終マッチで当たった石川も、目が点に。
「マークセンさんが常に僕らより40ヤード前から打つというのは新鮮でしたね」と、選手会長も思わず苦笑いだ。
マークセンのMVP受賞には、もはや驚きもせず、「来年は僕らJGTO枠で出るんじゃないか?」と男子の間では、まことしやかに語られたそうである。

50歳を超えても弾けるような若さと、パワーを兼ね備えた今年のシニア軍団。
その経歴と数奇な人生に伴うゴルフ愛も、ハンパでなかった。

4年前に、8時間に及ぶ心臓手術からよみがえったのはマイヤー。日本人の奥様を持つハワイの雄は、他チームとのコミュニケーションも大阪弁で流暢に、女王アンちゃんのスイングを動画におさめてヱビス顔だ。

公私合わせて22回のホールインワン記録を持つのは韓国のジョンドクさん。
久保さんは、高校時代にドリンクの配達員をしていた脱サラプロという。
「ゴルフに出会い、病み付きになり、やめられなくなって、今やこういう試合に出られるまでになった」と、感謝の気持ちがこの日のプレーにも込められた。
そんな久保さんとは遠縁に当たり、埼玉の研修生時代から旧知の仲が、山添プロ。レギュラーツアーでは、勝ち星がなくても今季シニアの開幕戦で初勝利を挙げて、遅咲きの花を咲かせた。

メンバーを代表して最初の開会式の挨拶も、表彰式でも緊張のあまりに噛み噛みのVスピーチで締めた米山剛プロ。
「笑顔のプレーがモットー」という。レギュラーツアーでは3勝の経験があったがゴルフの真の楽しさを知ったのは「シニア入りをしてから」という。
そんな彼をシニア界の人々は、出身地とつなげて「神奈川のスマイル王子」と呼ぶのだそうだ。
髪に白いものが交じっても、たとえおでこの範囲が広くなっても心からプレーを楽しむ。笑顔のいぶし銀軍団が、今年最後にみごとに主役を張った。

夢はいくつになっても見ることができる。
それをみごとに体現したシニアの6年ぶりの勝利であった。

<倉本PGA会長から3団体を代表してご挨拶>
「ゴルフ3団体を代表して、ご挨拶をさせていただきます。今年は4238人ものギャラリーの皆様に、お越しいただきました。まことにありがとうございました。
3団体すべての競技のスケジュールが終了しました。
大会は、138人のボランティアのみなさまに支えられ、無事けがもなく、閉幕することができました。
「for CHILD CHARITY」と銘打ち始まった今大会は、のべ3億3000万円ものお金が寄付されました。
今年で14年目の長きにわたりサポートを頂いております日立さまには、心より感謝申し上げます。
我々3団体はゴルフを通じた社会貢献、新しいゴルファーの創出、リタイヤ防止、健康増進にこれからもいっそう邁進してまいりたいと思います。
みなさま、どうぞ周りの方々にもお声をかけてゴルフに誘っていただき、さらに新しいゴルファー誕生のお手助けをお願いいたします」
(表彰式でのスピーチより抜粋)
  • 開会式でも若々しいパフォーマンスで魅せたシニアの面々
  • アンちゃんの動画をお宝映像におさめるマイヤーさん
  • マークセン、MVP賞おめでとう! 

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