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ANAオープンゴルフトーナメント 2019

史上最多5人のプレーオフも一発で決着。浅地洋佑がツアー2勝目

26歳の浅地洋佑が、史上最多となる5人のプレーオフ(※)を制して5月の初Vに続く、ツアー通算2勝目。賞金2位に浮上して、12月の妻の出産予定に合わせた初の賞金王獲りを見据えた。

昨年大会は、北海道胆振東部地震により中止に。2年ぶりの開催は、歴史に残る大混戦で盛り上がった。
後ろから3つ前の組で、いち早く首位で上がった浅地。ノリス、ハン、時松、嘉数らと史上最多の5人によるプレーオフも、サドンデスの1ホール目に一網打尽だ。
セミラフから残り145ヤードの2打目。「8か9Iで迷った」。
逡巡ののちに、8Iを握りしめると誰よりも近くに乗せた。
ピン真横のバーディチャンスは、1メートル強。
本戦の18番でしのいで上ったパーセーブと「距離もラインもほぼ一緒。上りスライス」。今度も自信たっぷりねじ込んで、4人まとめてあっという間に勝負を決した。

今年5月の「アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ」でプロ9年目の初V。当時は賞金1位となりひそかににらんだ賞金王も、V後に「変なゴルフはできない」と、気負うあまりに成績が伸ばせずあっけなく転落。
反省し、「ここからまた初優勝を狙うつもりで」。
初心回帰のV2だった。

いままで付ききりだった母。初日65位の出遅れを叱責するメールは寄越したが今週、ついに会場には現れなかった。
「ほっといてもやるというのが分かったようで。最近、母はあまり来なくなりました」。
18歳でプロになり、女手一つに支えられたがこの12月には自らが親になる。
初Vのお披露目時には他の独身プロもやっかんだ。昨8月に結婚した美貌の妻が出産を控えて「お腹が大きくなって実感がわく。もうひとり家族が増えるので。もっと頑張らないとと思うところ」。
自覚もやる気に拍車をかける。

これで、賞金ランクも2位浮上。
来月の日米共催&日初開催の米ツアー「ZOZO選手権(10月24日〜27日、千葉県・習志野カントリークラブ)」の出場権利を引き寄せ「タイガー・ウッズと回ってみたい」と、胸躍る。
「賞金王を狙える位置にもまた戻ってこられた」。
ここからさらに高度を上げて、ついに年末の初戴冠を嬉しい出産祝いとしたい。

(※1973年のツアー制度施行後)

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