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中日クラウンズ 2021
共に偉業がかかる宮本VS片山。励まし、励まされてV争い
宮本勝昌&片山晋呉。
日大同期の48歳。
互いに偉業がかかる。
1年越しの連覇なら、97年のジャンボ尾崎以来の快挙。宮本は「幸か不幸か、最終日もまた晋呉と一緒」と、ついに3日間とも同組ラウンドに苦笑する。
対する片山は、04年と06年に続く大会3勝目に挑むが「バチバチではない。2人でいいプレーをして盛り上がっていく感じ。明日も同級生の宮本選手と励まし合いながら、頑張ります」と、微笑んだ。
30年来の戦友は「この年齢になって、まだ一緒に優勝争いができる。幸せですね」と、そこは仲良く声を揃えた。
前日2日目に、2打目を直接入れた8番パー4に続いて、この日は前半2番で今週2つ目のイーグルを奪うなど、「64」で回った宮本。
「今日は100点満点ですよ」。
2年前のVキャディに今年も支えられている。
2日目の第1ラウンドで、パットに苦戦している宮本の様子を察したハウスキャディの遠竹則子さん。
「今日はラインの読みを調整しておきました」。
「…カッコいいこと言うなあ、と。これだけパットが一杯入れば誰でもいいスコアで回れます」と、遠竹さんの的確な読みに改めて感心。
特に、後半10番からの3連続バーディは、「5メートルのフックと、5メートルのスライスと、3メートルの真っすぐ。遠竹さんの言うこと聞いてたら、ほとんど入りました」と、感謝した。
ただ、和合のいつもの強風には逃げたくなったという。
11番と18番のティーは垣根を隔ててすぐ隣。
「11番からビュービュー吹いてきたので。そのまま18番から帰ろうかと。18ホール終わってクタクタです。和合は年を重ねるごと、回数を重ねるごとに難しくなる」。
嘆息した宮本に、片山がニヤリとした。
「宮本選手は1回しか勝っていないから。そこですね」と、和合で2勝のプライドをちらつかす。
「僕は何十回もここを回ってる。経験を思い出してやっている。すいませんね」とおどけたが、第61回大会は初日が雨で中止となり、54ホールの競技短縮が、自分らベテランには特に有利に働くという点では意見が一致。
「昨日もラウンド中に2人で話しましたが、こういうところでポポンと上に行けたら僕らにもチャンスだ、と。それが現実になって、明日も楽しみ」と、片山。
宮本は、「幸か不幸か3日間になったので。予想以上の混戦。明日も今日と同じような考えでプレーすることにフォーカスできる」。
48歳の共闘が、2年ぶりの最終日を面白くする。