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フジサンケイクラシック 2020

目指すはデシャンボー。堀川未来夢は笑顔の敗退

©JGTOimages
8か月ぶりのツアー再開初戦を笑顔の戦士が盛り上げた。堀川未来夢が、最終日に64の猛攻。ボギーなしの7バーディで、V争いを演じた。

本大会は、過去5度の出場で、予選通過は28位に終わった昨年の1回だけと、相性はよくない。
「この位置で終われたのが驚きです」。

2番と5番でチップイン。
「かみ合ったというよりは、ラッキーが多かった」と最終組の6組前で、先に通算9アンダーで上がって「まさか」のプレーオフ。
「相手が星野で、(18番の繰り返しの)2ホール目まで右奥のピン位置で、雨の降る中ピンを狙えない状態で、彼の高い球と、僕の低い球。かなりきついなと思っていた」。

在学はかぶっていないが、卒業後もコーチとして在籍した日大の寮生活で、面倒を見てきた可愛い後輩。
豪打も、才能も知りつくしている。

不利を自覚しながら、最後まで笑顔。
互いにパー、ボギーで分けて迎えた3ホール目。
ピン位置が手前目に切り替えられた。
ゲームの潮目が変わった。
星野と同じラインのバーディトライも、堀川の距離が遠かった。
先に打ち、パーパットを残して、キャディさんと談笑。
優勝副賞は日産のスカイライン。
「あの車庫証明はどうしよう、と。不動産をやられている方なので。あの車の手続きをお願いします、と冗談で話してたら先に星野に入れられちゃった」と、笑顔の敗戦。

プレーオフは初体験だった。
「負けたくない気持ちはありましたが星野とできて楽しかった。特に慌てることもなく、3ホール目にバーディ獲られて、いい終わり方」と、悔いはなし。

8カ月ぶりの再開初戦は「海外選手もいない。お客さんもいない。寂しいですけど一歩ずつ進んで、1試合でも早く戻ってきてくれれば。今回が、いい一歩」。

久しぶりの大会で、自分や星野を含めて、20代の選手がリーダーボードにひしめく様も、堀川には満足だ。
「女子ツアーみたいに、若い選手が頑張って、盛り上げているなと感じた。自分ももっと練習して次につながるようにしたい」。

ムチムチの胸板が、コロナ禍のトレーニングでさらにムチムチ。
「とりあえず、食べて増やして体重は83キロから90キロ。いい増え方かは分からないですけど、目指すはデシャンボー」。

自粛期間の肉体改造で、脅威の飛距離アップを実現した話題の米選手みたいに堀川も、効果を実感している。

ツアー最長の7500ヤード超のコースも「苦しい感じはなかったし、キャリーで300オーバーも、かなりあった。今まで平均280ヤードくらいでしたけど、今年は平均飛距離が伸びればいいな」。
次のレギュラーツアーは10月の「日本オープン」となる見込み。笑顔の戦士のさらなる変身ぶりが楽しみだ。

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