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男子のJGTOは大会史上初の偉業を逃す
前半9ホールのファーストステージから、我らが男子は劣勢ムードだった。
開幕直前に満場一致でキャプテンに就任した。最年長の池田が「今年はシニアも女子も、非常に強かった」とまずは、勝者を称えつつ、「うちは、噛みあっていなかったかもしれない」。
ちょっぴり悔いた。
「彼に気を遣わせないように俺も、頑張ったつもりだったけど。やっぱり彼に気を遣わせてしまったかもしれない。チーム編成を、もう少し考えるべきだったかな…」と采配ミスを反省。
池田が前後半ともペアを組んだのは、日ごろから池田を「偉大な人」と仰ぎみるゲンちゃんこと時松隆光。
「いや、“お前の思うとおりに打て”と勇太さんは常に言ってくださった」と、時松はいう。
「でも僕は、思ったとおりに打たせてもらって、決めきれんかった。特に後半は、大将(池田)がびしっとつけてくれているのに僕が、2番から3連続で1ピン、2ピンを決めきれなかったり。それが敗因」と、前後半ともに、勝ち点を持ち帰れないまま。
稲森と、クロンパのペアは日本語とタイ語、英語を駆使して最も噛みあったコンビだったといえるが今回は、風邪気味だったクロンパも合わせて男子は6人中2人も病人を抱えて苦戦した。
賞金王も、大会前に体調を崩していた。投薬で頑張った周吾はしかしスタート前の「周吾の今日一番の大仕事」(石川)で、すでに燃え尽きていたかもしれない。
各団体ペア恒例のスターティングセレモニーは石川と、指拳銃で撃ちあう即興で石川が、賞金王の周吾を打ってもびくともしないが周吾が石川を撃ったらあっけなく、石川がその場に派手に倒れ込むという小芝居と、そのあと男子を代表して「みなさん、男子の3連覇を見に来てくださってありがとうございます」というわざと上から目線の朝のご挨拶もすべて、石川が仕込んでくれた台本は棒読みでも周吾なりに、ぎこちんなくても精いっぱいに演じきった。
「プレーは真剣に、でもパフォーマンスは楽しく。日本のゴルフ界を、俺たちが背負って立っている。そういう雰囲気を、明日は俺らで作って行こう」と前夜の決起集会で、キャプテン池田の言葉にメンバー全員の士気が上がった。
男らしく、みな黒色のウェアを着用して、気持ちもひとつに揃えて「みんな最後まで、いい顔でやってくれたとは思う」とそこは、池田も満足でも、勝利につなげることはできなかった。
男子は例年通り、総距離7316ヤードに対してシニアは6760ヤード、女子は6226ヤードとティーグラウンドがえらく前にあり、今年は男子と各団体との距離差が70ヤード近くも出たホールもあり「そこで、力が入ってしまった部分もあったかな…」(池田)。
その点は否めなくても毎年、3団体の持ち回りで行われる大会運営は今年、シニアのPGAの幹事年にあたり、「ライダーカップもアメリカで開催するときは、アメリカ有利のセッティングになるし、ヨーロッパでやるときは、天候の悪いコースを使ったり、グリーンを重くしたり。開催国に有利に働くのは当然のこと」(石川)と、不利な条件は納得ずくだ。。
「こういうセッティングでも、僕らJGTOは勝たなきゃいけなかった。悔しさは残るが厳しいセッティングでやらせてもらうほうが、僕らのためにもなった」と選手会長は、潔く負けを認めて前を向いた。
今年、JGTOチームは稲森とクロンパ、そして時松と、若き初出場者を3人も揃えて、賞金王の周吾を筆頭に、世代交代を大アピールするはずだった。
時松は「今年は、この大会に出るために頑張ってきた」と、言った。
「でもチームに貢献できなくて、申し訳ありませんでした」と、深々と詫びたゲンちゃん。
「勝てなかったですけど素晴らしい先輩と組んで、シニアと女子のみなさんと、一緒に戦えて楽しかった。幸せな時間でした」と、感謝した。
「2人でペアでやるっていうのは日本では、この大会だけ。また絶対に出て勇太さんと組ませてもらいたい。またこのメンバーで、優勝を目指したいです」。
稲森もクロンパも、「来年もまた出たい」と、声を揃えた。
「女子とシニアのみなさんと、一緒の舞台でやれるなんて本当に斬新!!」(稲森)と感動の1日に、駆け付けてくださったのは、4138人もの大ギャラリー。
「たくさんの人たちの前でプレーをさせていただき最高に楽しい時間でした。本当にありがとうございました!!」(JGTOチーム)。
今年も稀有な場を提供してくださった多くの方々への感謝はそのままに、また来年から大会初の偉業を目指して男子のJGTOは、挑戦を続けていきます…!!