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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2013

谷原秀人の「見学させてもらいます」は本音か否か【インタビュー動画】

今週は連日、ホールアウトするなり何もかも振りちぎって練習場に直行している。石川遼とのペアで3位につけた2週前のワールドカップ。豪州から帰国するなり「疲れからかな。ショットがずたボロ」。この日も18番グリーンサイドのスコア提出所から、急なのぼりのスカイレーターを上がってくるなり、一瞬の躊躇もなく右に折れて練習場へ。

しかし、結局この日もひとつの手がかりも掴めなかったようで「な〜んかね、光がない。くすんでるんですよ、僕のショットが。自分の持ってる球が、なかなか出てくれない」。そんな自分に呆れているようで、自虐的な薄笑いを浮かべたまま、しきりに首ばかりをかしげた。

そんな絶不調の中でも最終日を前に、大学の後輩にも3打差の2位タイまで迫って来ることが出来たのは、こちらは燦然と輝く小技。目下、平均パット数でランク1位は同2位で追う小田孔明が、虎視眈々と逆転をねらうが、さすがに「今日も、谷原が一杯入れているから、ダメかな・・・」と、あれだけしぶとい男もついに降参?!

もはや、周囲も脱帽のパッティング。14番でもグリーンの外からパターを握って、7メートルのバーディトライ。難なく沈めた。アプローチも冴えた。17番のパー5は、2打目がグリーン奥の崖下まで転がり落ちるピンチもあっけなく、ピンそばのバーディですり抜けた。

2つ下の後輩は、谷原の目から見ても「昔から群れる感じじゃなくて、一人でコツコツとやるタイプ。俺は俺で、やりたいようにやっている」。この日のゴルフを見る限り「調子は良さげだし、差もありますからね。2位狙い」。割り込んだ最終日最終組は、もうひとりの山下もまた、ツアー初優勝がかかる2人に挟まれて、「明日は見学させてもらいます」と気のない素振りも、フリだけかも?!

黙々と努力を重ねる宮里の姿を近くで見てきて、勝たしてやりたいとのホトケの心と思いきや、「それとこれとは別ですよ」とこともなげに、「簡単に勝たしちゃダメでしょ。盛り上がらないでしょ」。

後輩にプレッシャーをかける秘策もやっぱりグリーン上にある。「今日も一番タッチがあっていたし、ラインも読めていたし、ショットはそこそこでもグリーン周りまで、持っていければチャンスは作れる」。

今季はやはり、大学の後輩の松山英樹の4勝のほかは、みな揃って1勝止まりで、いよいよこのツアー最終戦で、今季2勝目にもっとも近いところにいる谷原には、そのあたりの責任もある。「ヤベー、頑張んないと」と、急にやる気もわいてきた。

なぜ後輩は、あれほどの器を持ちながら、いまだ未勝利なのか。
「僕にも分かりませんよ。けど、なんとなく、首位に立つけどこれという、勝ちきるショットが今までの優作にはなかったからでは?」。同じ世界に生きる者として、その答えを間近で見届けたい欲求も少し。「明日は優作がどう戦うか。どういう心境でやるのかも、見てみたい気がする」。その冷静さがどちらに転ぶか。


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