通算10アンダーでホールアウトをした41歳は、直後にしばらく逡巡していた。「今日のゴルフは何点かって？　うう〜ん･･･」とうなったまましばらくうつむく。

「１年間のブランクがありながら、いきなり開幕戦でこの順位は90点･･･」と言って、またうなる。
「うう〜ん･･･。でも最後のボギーを打ってるからやっぱり70点くらい？」。しかし、それを差し引いてもシード復活には大きな一歩だ。
周囲に「じゃあ80点にしとけば」と言われて、満面笑みで大きくうなずく。

一昨年に、シード落ちを喫したばかりか出場権さえ失って、どん底まで落ちた。
「それでも腐らず、欠かさずトレーニングをして、練習をして・・。自分に足りない部分を一生懸命に補って頑張ってきた」。
努力の甲斐があったとしみじみと思う春。
だが、これで安心してはいられない。来季のシード権は従来の70位から、賞金ランク60位に変更される。なおさら険しいシードふっかつへの道。
今季はファイナルＱＴランク17位の資格で出場権を取り戻した増田だが、今のままでは秋口の試合に出られるチャンスは少なく、「のんびりなんかしていられない。今のうちにまとめて稼いでおかないと」。
この勢いを止めたくない。

• 増田 伸洋