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〜全英への道〜 ミズノオープン 2016

テコンドーは黒帯! 数奇な経歴のハン・スンスが首位タイに

先週は、元パラシュート部隊の韓国勢がツアー初Vを飾ったが、今週初日のリーダーもなかなか数奇な経歴を持つ。ハン・スンス、29歳。韓国系アメリカ人である。

幼少期に習ったテコンドーは、黒帯級だ。一方で、スピードスケートもたしなむなど、下半身の強さは折り紙付きだ。
韓国財閥の経営陣に名を連ねる父親が、スポーツ万能の息子に次に勧めたのがゴルフだった。最高の環境を求めて、アメリカに渡ったのが12歳のとき。
ゴルフ漬けの日々が始まった。

ネバダ州立大でも数々の結果を残し、2008年にプロ転向を果たすと、米下部のウェブドットコムツアーや、カナダツアー、アジアンツアーを転々とした。
そして、2013年にたどり着いた日本ツアーで、「燃え尽き症候群にかかった」。

ファイナルQTの資格で本格参戦を果たしたものの、結果が残せず、翌年にはあっさりと出場権すら手放した。
先週の趙炳旻 (チョビョンミン)は、ゴルフに嫌気がさしたと軍隊に入ったが、スンスが選んだのはイクメンの道。

第一子誕生を機に引きこもり、子育てに“専念”した。「1年間、まったくクラブを握らなかった」。ゴルフから完全に離れたことで、逆にゴルフ愛に目覚めた経緯は、先週の趙(チョ)とかぶるところがある。

「またゴルフがやりたくなった」と、復帰するなり昨年のファイナルQTでランク1位に輝き、あっさりと出場権を取り戻して、ツアーの舞台に戻ってきた。
出直しの今季は、「シード権を獲ることが目標です」と、好スタートを切った今週は、全英オープンの出場切符もかかる。
「メジャーにも、まだ行ったことがないので。ぜひここで、権利が獲れたら」。
1年間のブランクを、ここで一気に取り戻せたら。

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