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今平周吾がこの1年のご挨拶

2年連続賞金王に、2期目の選手会長も賞賛を浴びせた。「今年は去年より、パワーも技術も確実に上がって2年連続は、片山(晋呉)さん以来の快挙。本当に、めちゃくちゃ凄いことですよ!」と、石川遼。
今平周吾の安定感は2年目の今季、さらに凄みを増していた。
平均ストロークやフェアウェイキープ率など、9つの部門別ランキングの順位をポイント化して、その合計で総合力を図る「トータルポイントランキング」の初受賞が、何よりそのあかしだ。
「初めて賞金王になった昨年は、獲れなかった(7位)。そこは自分でも、成長できた部分」(今平)。
賞金王と、同賞の”W受賞”は6年ぶり。2013年の松山英樹以来となる快挙である。
それぞれ各部門で高い水準を保ちながら、賞金レースを争うことの難しさ。
しかも、である。
「賞金王の次の年はメジャーや、WGCにも出れたり、スケジュールが全然違うんです」と09年に、自身も王座についた経験をふまえて石川が証言。
「それでもツアーのことを考えて、周吾はたくさん試合に出てくれて、選手会長としても頭が下がる思い。その中で、これだけの安定感を保ったままここまで来るのは脱帽です」(石川)。

今年から、「トータルポイントランキング賞」に、メルセデス・ベンツの冠がついた。
1位者には賞金100万円と、メルセデス・ベンツのSクラスが贈られる。
序盤は1位を快走した星野陸也。年頭から同賞の受賞を目標のひとつに掲げてきただけに、にわかにもつれた終盤には泣き言も出た。「周吾さんはすでに1台持っている。だからもういいでしょう?」。
今平が、今季2勝目を飾った「ダンロップフェニックス」。V副賞が、こちらもまたベンツのSクラスだった。
星野がいつかは、と夢見てきた憧れの高級外車。2台目は、なんとか譲ってほしくてさりげなく、今平をけん制してきた星野だったが最後の最後にさらわれた。「残念でしたけど…仕方ない。今年の周吾さんは強すぎた」と、伸び盛りの23歳も、2年連続の賞金王に完敗だ。

最初の1台目からひと月も満たずに、2個目のジャンボキーを抱えてそんな選手たちの羨望を、一身に受け止めた今平。
「1台は、自分が乗らせてもらってもう1台は、お父さんとお母さんに…」。
なんともゴージャスな親孝行に、会場のあちこちからため息がもれた。
受賞者を代表して、堂々とマイクを握った2年連続賞金王を、選手会長も頼もしく見ていた。
「周吾が僕の言いたいことをすべて、しっかりと言ってくれました」(石川)。

今平周吾からこの1年のご挨拶
「ファンのみなさま、スポンサーのみなさま、ツアー関係者のみなさま。今年も1年間、男子ゴルフをたくさん応援していただき、まことにありがとうございました。
昨年に続いて2年連続の賞金王など栄えある賞を獲得できましたのも、みなさまのおかげと心より感謝しております。
自分は器用ではありませんが、そのかわりに周りのスタッフに支えられ、活躍することができました。
何より柏木キャディ、渡辺トレーナー、チーム・ヤマハのみなさま。この場をお借りして、感謝申し上げます。ありがとうございます。
来年は、4つのメジャーすべてで予選通過を目指します。
国内では年間3勝、3年連続賞金王も狙います。
また来年は、東京オリンピックもあります。僕にとっても石川選手にとっても地元・埼玉での開催。石川選手にも、負けないように頑張ります。
賞金王としての誇りを持ち、歴代のレジェンドプレーヤーにも恥じないプレーを心掛けてまいります。
今後とも、日本ゴルフツアーへの応援と暖かなサポートを、なにとぞよろしくお願い申し上げます」(今平周吾)
  • メルセデス・ベンツ日本株式会社の上野金太郎・代表取締役社長兼CEO様より豪華賞品を受け取る今平「本当にありがとうございました!!」

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