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石川遼が盛岡へ

腰痛から無事復帰したばかりの選手会長が、来週までしばしのオフにみちのく‟鉄旅”。13日木曜日に石川遼が、スーツ姿で東北新幹線に乗り込んだ。まずは盛岡駅で降りた。今年も東北3県に福祉車両を届けに来た。

ジャパンゴルフツアー選手会が、前年度の賞金総額の一部を拠出して、岩手と宮城、福島に約3000万円の寄贈を始めて8年目。
その2年目からは、舗装がまだの道でも小回りのきく軽自動車を寄贈するようになって6回目。
‟先々代”の選手会長・池田勇太が、選手みんなの思いを直に届けようと訪問を始めた。次の‟先代”宮里優作から石川がバトンを渡され今年2年目を迎えた。

寄贈会場の岩手県社会福祉協議会に入ると、すぐそばのスポーツ施設「ふれあいランド岩手」で汗をかいていた人々が、噂を聞きつけ続々と集まってきた。
‟遼くん”の笑顔をひと目見ようと、駆け付けたみなさんの表情はとても明るく見えて、「苦しい時間も過去になっていくとは思う。でも、きっと震災がくる前と、みなさん同じ生活には戻れていない」。

長山洋・同協議会会長によると、あれから8年経ってもまだ200人以上の方が、仮設住宅で暮らしておられるという。
被災地の復興事業はまだまだ道半ばという。
「みなさんに、どうお声かけしたらいいか。心の傷を、どこまでサポートできるか。軽々しく言えることではない。でもこれから先、少しでも街が便利でよりよくなるお手伝いを、僕ら男子ゴルフも力を合わせて続けていければ」。

各市町村のお名前と、ジャパンゴルフツアーのロゴがあしらわれた真っ白な軽自動車「スズキアルトL CVT FF」は、毎年各3県共に10台ずつ。
6年かけてこれで各県60台、総計180台。
「選手一丸となって、復興支援を続けてまいりましたがまだまだお役に立つ機会があるということをお聞きして、今年も3県に車を10台ずつ。微力ながらもこういう形でサポートさせていただけるのは、選手みんなのやりがいです」。

選手会を代表して10台のダッシュボード、ひとつひとつに心をこめてサインをして歩いた。

来年はいよいよ東京五輪が控える。その前年に開催されるラグビー・ワールドカップは、ここ岩手県の釜石市が会場のひとつに選ばれ「スポーツの力で地域を盛り上げていくことは非常に大事。ラグビーを通じて岩手県が盛り上がって欲しいと心の底から思います」。

祈る思いを残して、その足で当日中に仙台へ。
翌14日は午前中に「スズキ自販宮城」での寄贈式に臨んだあと午後から慌ただしく福島に向かう。
一泊二日の貢献活動。続きはまた明日。

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