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谷原秀人、40歳。今季も世界を転々
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今年は、大学の後輩の宮里優作も初シード入り。
さらにQスクールから勝ちあがった川村昌弘も加わり、当初は孤独な一人旅も、年々にぎやかになってきたのはベテランとしても喜ばしい。
毎週のように国境を超える旅で、ロストバゲッジは日常茶飯事。
そのほか航空会社のストライキなど、その都度、急な予定変更に追われる。
何年経験を重ねても、不便が変わらないのはいざコースに着いても同じという。
大会や開催国は同じでも、昨年と同じゴルフ場とは限らない。
「コースが変わることも多いので。初めてのコースが減らない感じ。そのへんが難しいところ」と、毎週、コースにゴルフを慣らしていくにも必死。
異国の地で過酷な環境の連続も「苦しみだしたらほんとに苦しいだけの生活になってしまう。楽しまないとやってけない」。
せめてご当地グルメや観光でたまに息抜きしながら自らを鼓舞して2年が経ち、昨年11月にはいよいよ40歳になった。
「毎年、年は取るし、しんどさも増すけど1センチでも、1ミリでもゴルフが上手くなりたい。だからもう少し、ここで頑張る」と一時帰国で話したのは、日本ツアーもすっかりシーズンを閉幕した昨年末のことだった。
昨季はついに、1試合も出られなかった。
欧州での隙間のないスケジュールをやりくりして年に数試合でも、日本に帰りたい気持ちはやまやまだが、ほとんど休む間もなく転戦を続けて18年シーズンの賞金ランキングはなんとか64位に。
「帰る余裕がない。来年(19年)は春先までに稼いでもう少し、余裕が作れたら」と、話していた。
切実な思いを胸に、今年もまた旅は始まった。
「目標は、ヨーロッパで勝つこと」という谷原。
近々に凱旋帰国が実現できたら最高だ。