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太平洋クラブチャレンジトーナメント 2021
プレーオフを制し伊藤慎吾が悲願の逆転初優勝!
首位と1打差の7アンダー2位からスタートした伊藤慎吾は「朝は緊張していたました」と言うもののスタートホールでいきなりのバーディ発進。その後も粘り強くパーを重ねハーフターンの時点では、トップを走る岩﨑亜久竜とはまだ3ストロークあったものの、焦りは全くなかったと振り返る。
「本当に今日は落ち着いてプレーができました。インコースは難しいですし、上がり3ホールでどうなっているかわからないなと思って、最後まで諦めずにプレーしました」。
「これを逃したら最後」。その言葉からこれまでどれだけ苦しい思いをしてきたかを察することができる。学生時代は華々しい活躍をしてプロ転向したものの、その後はドライバーイップスなど様々なことに悩まされ成績を残せずにいた。同級生には石川遼や松山英樹がいて、彼らが世界で活躍する姿を見るたびに、自分も同じように世界で活躍することを目標にプロ入りしたにもかかわらず、その舞台を目指す段階にも達せていない葛藤に襲われた。そしてどんどんゴルフが楽しいものではなく苦しいものへと変化していったという。
「本当に何度も諦めようと思いました。でも自分ほど多くの人の支えられているやつはいないと思います。仲間もそうですし、お世話になっている宝塚ゴルフ倶楽部の方々はじめ、たくさんの方にお礼の連絡をしたいと思います」。
14番ホールでこの日初めてトップに並び、17番では会心のバーディで単独首位に立った。流れは完全に伊藤に来ていたが、流石に初優勝がかかった18番はプレッシャーがかかったようで、セカンドショットで痛感のミス。ボギーとして土壇場でプレーオフに持ち込まれる形となった。
気持ち的には不利に働きそうな展開だったが、伊藤の気持ちは落ち着いていた。自分にできる全てを出し切るだけ。結果、プレーオフ2ホール目で岩﨑がボギーとして優勝を勝ち取った。
これで再び夢を目指すスタート地点に立ったことになる。ここからが伊藤の本当の挑戦の始まりだ。