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『マスターズと僕』作・今平周吾
挽回しようにも、新型コロナウィルスの世界的な蔓延で、そのチャンスすらなかった。
3年連続3度目のマスターズ出場を逃した。
11月に延期された昨年大会ではついに初の予選通過を果たしただけに(44位T)「今年も続けて出られなかったことは、とても残念でした」。
いよいよ開催週の今週は、テレビ観戦で次の攻略策を練る。
無念の思いが、2年連続賞金王に筆を取らせた。
最高峰メジャーへの尽きせぬ思慕を1枚の絵に込めた。
タイトルは……。
「特に思い浮かばない」ということだったので、こちらで勝手につけてみました。
『オーガスタと僕』作・今平周吾
「自分で思っていたよりは、上手く描けたかなと思います」。
自画自賛の傑作誕生は、2度目の緊急事態宣言下の先月。
部屋に飾ってあった昨年出場時の記念写真に、創作意欲がうずいた。
「本当にキレイだなあ、と。ぼーっと見ていて、この写真を絵に描いてみようと思いつきました」と、近くのヒャッキンでさっそく画材を調達。
2019年に、福島県の子どもたちを訪問した際に、即興でネコによく似たイヌのイラストを描いてみせたことはあったが「絵の具を使って画用紙に絵を描くのは小学生以来」。
最初はほんの暇つぶしのつもりだったという気まぐれな創作活動も、始めてみると思いのほか面白く、没頭した。
下絵も含めて「2時間ほどで描けた」という力作は、クラブハウス前の大会ロゴマークを模した名物の花壇はもちろん、こだわりのクラブセッティングまで、忠実に再現。
実際の写真に比べて、顔の無表情がやや気になるところだが、なかなかの大作となった。
「でもよく見るとやっぱりヘタですよね」と苦笑したが、大会への憧れや実際にそこに立ったものにしか分からない感動、再出場に賭ける強い思いは伝わってくる。
「来年は、必ずまた出場できるように、3季連続の賞金王を獲って世界ランキングを上げたい。次は予選通過ではなくて、上位争いでさらに上を目指したい」と、改めて目標を掲げる。
また、今年7月に予定されている東京五輪は地元埼玉での開催ということもあり、「出たい気持ちは強い」と、資格のある日本勢2番手を巡るし烈な代表権争いにも負けるわけにはいかない。
20ー21シーズンの再開初戦「東建ホームメイトカップ(三重県、東建多度カントリークラブ・名古屋)」がいよいよ次週に迫る。
「一般非公開ではありますが、今年は無事、開催していただけることを本当に嬉しく思います。初戦から結果を残していけるように頑張ります」。
今度は、脳裏に描いた鮮やかな青写真を、実現というキャンバスに日々忠実に再現していく。