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ダンロップフェニックストーナメント 2019
進化を続ける安定の周吾。次の目標は不動の強さ
最終日が荒天で中止となり、再び短縮競技での今季2勝目とはなったが状況を察知して都度、最善の仕事を完遂させる判断力と実行力はピカ一だ。
24日最終日の悪天候は、前日に情報収集済み。
前回、10月に今季の1勝を飾ったブリヂストンオープンは台風の襲来で2ラウンドのみの36ホールで決着。あの際も大波乱の展開となったが、中止が決定する前日の大会2日目にはしれっと、最終ホールのバーディで1差のトップを堅守。
今回もまた、「日曜日の天気が悪いと聞いていたので、3日目にはトップにいたいなと思っていた」と再びの有言実行。中止の前日に、66で回って2差の単独首位に。
2週前の「マイナビABCチャンピオンシップ」では惜敗した韓国の黄重坤(ハンジュンゴン)を2位に踏みとどまらせて、リベンジも完結させた。
今朝、最終日の中止の一報は、ちょうど日課のケアを受け終わった風呂場で聞いたという。
渡辺研太トレーナーの指導で今年は月・火曜日のトレーニングメニューを強化し、意識的に食事の量を増やして、終盤の体重減を防止。
「去年よりかは、体力もついている実感がある」。
常に試行錯誤を続けるスイングも「このままだとその場しのぎのゴルフしかできない」と、2週前にまた変化を加えてクラブもマイナーチェンジ。体技を揃えて終盤の安定感にも磨きをかけて、次の2勝目を待つばかりだった。
ウッズら錚々たる面々が名前を連ねる伝統の一戦で大願成就。Vリストに加わり「歴代の選手を見ても凄い選手がいっぱいいる。そこに入れたというのが嬉しい」と、喜ぶ。
初日、2日は松山英樹と米の飛ばし屋キャメロン・チャンプと回り「ロングアイアンの精度など自分に足りない部分が色々勉強になった」と、かねてより目標だった世界進出への思いも強まった。
この1勝で、世界ランクもかなりの上昇が見込まれ「これでマスターズにも近づいたかな?」。2年連続の出場権にも大きく前進。
「今年は海外で、全然活躍できなかったのでリベンジしたいという気持ちがある」と早、意気込んだ。
昨年は石川、松山に次ぐ史上3番目に若い戴冠も、わずか1勝の賞金王が、悔しかったそうだが今年は終盤間際に自身初の年間2勝を達成。
「すごく嬉しい」。
2度目の頂点に向けて、今季はあと2試合で、さっそく次の勝利を見据えた。
「追いつけないくらいの感じでJTに行きたい」。
次週の「カシオワールドオープン」で連勝なら、シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の前に決まる。
2年連続2度目のキング獲りでは代名詞の安定感に、圧倒的強さを揃えてみせる。