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ダンロップフェニックストーナメント 2019
魚より肉。メジャー覇者のモチベーション
ゲーリー・ウッドランドが前日会見に臨んだ。
スポンサーや、取材オファーの増加など、初のメジャー制覇が35歳の人生を激変させたのは間違いないが、ウッドランドがいちばん力説したのは、そこではなかった。
「全米オープンに勝って、一番大きく変わったこと。それは子どもが生まれたこと。あのあとすぐに双子の女の子が生まれまして。子どもが3人になりました」。
2歳半の長男に、いきなり2人も妹ができて「家中がオムツだらけだったり、しっちゃかめっちゃか。家にいるときは、忙しくて夜も寝られないような感じなんです」。
先月、「ZOZOチャンピオンシップ」で5位につけたあとから先週まで、3週間の休暇を取ったそうだが、「試合で遠征しているときのほうがゆっくり寝られる。試合はいいな、と思っています」と、むしろ今週がオフ気分?!
というわけで、今週8年ぶり2度目の日本ツアーで狙っているのはもちろん優勝。「勝つためにここに来ました」。
メジャー覇者として、自信も満々。
高い松林にセパレートされた海沿いここフェニックスカントリークラブは、風が吹かない日はないが、「私が生まれ育った米カンザス州も、風が強かった」。
林の下と上空では風向きも強さも違い、木の上を超すショットはコントロールが難しいとされるが、「僕の持ち球はフェードですし。ボールを低く抑えることは、全然問題ない。このコースに合っていると思う」と、思いつくのは利点ばかりだ。
「今は昔より、完成度の高いゲームもできるようになった」と前回の出場時はこのコースで、1ラウンドにつき5ホールしか持たなかったという第1打での1Wを今年は、10回程度に増やすつもりといい、「10回は、私の中ではかなり多い数。天気や風向き、ピン位置によっても変わってくるが、よいプレーが期待できるのではないかな」。
一度食べたら病みつきになる、という優勝副賞の宮崎牛一頭分の評判も、すでに入手済み。
「野菜は少しは食べるようになったが、私は魚は食べない。肉が大好きだし、宮崎ビーフは世界一と聞いている」と肉食男子には、それもまた大きなモチベーションのひとつだ。
<ゲーリー・ウッドランド>
1984年5月21日生まれの35歳。米カンザス出身。
米ツアー4勝、うちメジャーは今年の全米オープンで1勝。
子どものころからスポーツ万能で、10代はバスケットボールに熱中。小学生として、ウォッシュバーン大に進んだ。しかし、強豪と対戦する中で「レベルが違う。バスケットでは大成しない」とすっぱり諦め、ゴルフの奨学生として、カンザス大へ。
卒業後にプロ転向。初優勝を挙げた11年に、このダンロップフェニックスにも出場。
当時は飛ばし屋として知られたがそれだけでは、少しの活躍で終わってしまうと小技に磨きをかけてきた。「今はショートゲームに自信がある」と言うとおりに今年の全米オープンではいくつもピンチを小技で切り抜け、ケプカの3連覇を阻止。初のメジャータイトルを手にした。
その後、すぐに双子の女児に恵まれ、一男二女の父。