韓国出身の黄重坤（ハンジュンゴン）は今年中に、4年ぶりのツアー通算4勝目がなんとしても欲しい。

プレーから、その思いがほとばしった。
通算12アンダーで迎えた15番のパー5。
グリーン手前のラフから3打目のアプローチをチップイン。
イーグルを奪い、あまり感情を出さない選手がこのときばかりは、口をぐっと真一文字にガッツポーズを握った。

通算14アンダーで、首位の今平に1打差と迫って最終日を迎える。

27歳の今年、ひそかに心に決めたのは韓国の成年男子の義務である兵役について。
「年末の身体検査でパスできれば、来季にも任務につこうと思っています」。
そうすると丸2年。試合から離れることになる。
「それまでに、1勝して出場権を確保できれば」。

丸ぶちめがねと、つるっとしたもち肌がトレードマークだが、今季は以前よりも細っそり。

今オフのダイエットの成果だ。
ピークの時の94キロから今は体重86キロ。
「トレーニングと、ご飯の量を少し減らして…」。
あればあるだけ食べてしまう食いしん坊が、自分に我慢を強いたのは「去年、太りすぎてラウンド中に膝が痛くなったから」。
恥ずかしそうに打ち明けると、とりまきから笑いが起きた。
「何を笑ってるんですか！」と、自分も冗談めかして吹き出しながら「でも今は、やせて調子も良いです」。
8キロ減で、ゴルフにもキレが戻った。

いつもニコニコ、礼儀正しい27歳を慕うファンは多い。
来季、留守にするなら今年のうちに、しっかりと日本のファンにもすっかりスリムな姿を記憶に残しておきたい。

• 黄 重坤