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賞金王は、しばらく見ない間にマッチョに変身
2年連続賞金王の今平周吾は6日月曜日の、正午すぎに会場の取手国際ゴルフ倶楽部に姿を見せた
検査場は、クラブハウス向かいの駐車場に設置され、陰性判定が出るまでは、コースには立ち入れない。
午前中にトレーニングを済ませたその足で来たという今平は、ラフな半そで半パン姿。
薄手のリラックスウェアだからか尚更、全体のシルエットは自宅待機前より明らかに大きくなっているようにみえた。
「トレーニングはいま週2回。以前とペースも体重も、ほとんど変わってないんですよ」と、ニッコリしたが、肩や胸のあたりの筋肉はこんもりと分厚く、どっしりとした下半身の安定感も、以前より格段に上がってみえた。
寡黙な風情は相変わらずでもマッチョな背中には、ブランクを感じさせない覇気があった。
コロナ禍初のメジャーとなる全米プロ(8月6日ー9日、米カリフォルニア・TPCハーディングパーク)の出場は、ひとまず見合わせることに決めた。
収集できる限りの現地情報で、熟考した上でのことだ。
「行って2週間、帰って2週間の隔離期間は部屋からも出られないと聞きました。3週間前には出発しないといけないとなると、どうなのか…。調整は難しいと思いました」と万全を期して今回は、回避を決めたが9月には6月から延期されていた全米オープンや、11月にはマスターズもある。
「そちらも状況によって決めたい。海外で結果を出したい気持がありますので、いまそのために頑張っています」。
週3の練習では、鍛錬で生じた体の変化とのバランスをみながらスイングの構築を続けている。
「以前よりもクラブが振りやすくなっていますし、状態は悪くない」と、賞金ランキングには加算のない先週の「JGTO共催ゴルフパートナーエキシビショントーナメント」は、10位タイに終わったが、久しぶりの実戦でも相変わらずショットのキレを見せた。
感染防止のため同大会ではキャディをつけず、「セルフプレーは高校生以来」という今平も、慣れない電動カートを操り、「2日間とも雨でしたし、特にグリーン周りですね。バンカーならしや、グリーンに乗ってから、ボールを拭くとか。あと、風やライン読みも一人でやるのはとても時間がかかります。本当に頼りになるし、大切さを痛感しました」。
帯同キャディさんの日頃の献身に、賞金王も改めて感謝。
「今回は久々にプレーをさせてもらえて本当に楽しかったです。主催者のみなさんも大変な中、こうして僕らに試合の機会を与えてくださって、本当にありがとうございました」と、主催者にも頭を下げた。
「試合がどこからはじまるかわからないので、目標は立てづらいですけど、いつ始まってもしっかり結果を出せるように、準備をしていきます」。
コロナ禍の中で今季と来季の統合が、理事会で決定したが「日本での目標は3連続賞金王です」。どんなに長いシーズンとなっても王座を譲る気はさらさらない。