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日本プロゴルフ選手権大会 2021
「ほぼ完ぺき」「あとは気持ちの問題です」2年連続賞金王にみなぎる自信
今平周吾の自信がみなぎる。
ここ日光に来た瞬間に、直観したという。
「このコースは僕向きだ、と」。
高い木々に区切られた名門コースが得意。
「今週は、気持ちよくできると感じた」。
予感した通りに初日からスコアを伸ばして2日間で8アンダー。
この日は前半11番で、PWを握った130ヤードの2打目が入りかけ。
楽々と、次の12番では3メートルも決まって連続バーディ。
「アイアンはこの2日間、ほぼ完ぺきです」。
2度目の王座の際にはあんなに頑張っていたトレーニングを今年に入ってややセーブ。
「オフに筋トレして、上体が強くなって。感覚がいつもと違う。アジャストできない。でも、程よいペースに変えたら力も抜けて、いい感じに距離も出て、疲れも出ない」。
元来のキレが戻った。
ちかごろ悩みのパットも、柏木キャディの奇策で一気に光が見えた。
なんと、2本のパターを携行して戦ったのは先週、福島の最終日。
「気分転換してみよう」と提案されて、8本持ってきていた中から新しいのを1本選び、「でも、それじゃ怖い」と、いつものエースをもう1本。
かわりに4番アイアンを抜いて出た。
最初の4ホールは、新しいので打った。
「入らない…」と5番から、やっぱりエースに戻すといきなり5連続バーディが来た。
「エースへの信頼感が戻った」。
今年自己ベストの6位タイに入った感覚を、今週も継続中。
「あとは気持ちの問題です」と、言い切った。
昨年まで東京五輪の代表選考で、圧倒的優位にいたのが今平だ。だが、コロナで1年延期が決まると状況は一変。
2週前の締め切りで、代表入りを逃したが「ダメだと分かった時点で…。気持ちを切り替えるのはいつも早いほうなので」。
すでに、「今季の1勝と、3シーズン連続の賞金王」へと目標を切り替え邁進中。
過去4勝と、2度の戴冠は輝かしいキャリアに間違いないが「日本タイトルは獲れていない。しっかりと、獲っていきたい」。
周囲にもはっきりとみなぎる闘志は、今までの今平には見られなかった傾向だ。