今回は、待ち時間なしで戦い場に潜り込むことができた。
ケンシロウこと池上憲士郎（いけがみ・けんしろう）は、雪辱に舞い戻ったというのにとっても謙虚。

初めて回る輪厚（わっつ）での練習ラウンド。

「いつも、一緒に回ってくれるんですけど」と、言ってしまってから、「いや…一緒に回っていただくんですけれど！」と、慌てて律儀に言い直して、「そこには打っちゃだめだとか、毎年ピンが切られる位置だとか。キャディの柏木さんと一緒に凄く親切に教えてくれて。本当に、教えてもらうばっかりでいつも勉強になることばっかりです」。

今平周吾は同級生だけど、偉大な2年連続賞金王。

池上が、現地待機で開幕当日に繰り上げ出場を果たした先々週のフジサンケイクラシックでは、共に優勝争いを演じることができた。

結局4差で敗れたが、最後まで食いついて、自己ベストの2位タイにつけられた。

その反響は大きく「残念だったね、と言ってくれた人。反対に、よく頑張ったねとほめてくれた人も凄く多くて。少しだけど、名前や顔も覚えていただいて、とてもうれしかった」と、喜ぶ。

直近大会の10位内の資格で出場を果たした今週は、再健闘を願う声もとても多くて、「応援していただいて、本当にありがたい。期待に応えられたら」。

めちゃくちゃ尊敬しているけど、いつか倒してみたい相手には違いない。雪辱を期して、北斗神拳の真似事で威嚇をしてみるけど、隣の「シュウゴ」はびくともしそうにない。

「2週前もそうだったけど、特に後半。シュウゴは獲るべきところを絶対逃さず、だからいまあの地位にいる。練習ラウンドを見る限り、今週もめっちゃショットよさそうですし」と、どこにも隙は見当たらない。

先々週の借りを返したいのはやまやまだが、「今はただ、これまでやってきたことを、1ホール1ホール丁寧に」。
先々週のように、ただがむしゃらに。

プロ7年目。
「これまで、なかなか結果が出なくて、しんどい思いも一杯してきたけど、先々週は初めて今までのそういう経験が、生きているのではないかと思えた。優勝、優勝ばっかり言うててもダメ。まずはコースとの戦いをどうにかして、スコアはあとからついてくる」。

3シーズン連続の賞金王獲りを狙う隣の「シュウゴ」は、2週連続Vを目指して、「またいちから頑張りたい」と、話している。
ケンシロウも、遅れを取らずについていく。

• 池上 憲士郎
• 今平 周吾