最終日は7差の11位タイから出て2番でラフからチップインイーグルを奪うとあれよとスコアを伸ばしてベストスコアの「65」。通算12アンダーでクウェイルに追いついた。
「7差もあったので、プレーオフになっただけでも驚きなのに、まさか優勝もできるとは…」と、絶句したわりには最初の延長ホールでティショットを池に入れても「チャンスが消えたわけでない」と、冷静だった。
ドロップし、3アイアンの第3打を奥の観戦スタンドまで豪快に飛ばして寄せワンでしのぐと、今度はクウェイルが池に入れた2ホール目にボギー、パーで決着。
パパでの初勝利だ。
「お父さんになってすぐに優勝できたことが嬉しいです」と、青く優しい目元をいっそう下げた。
先月5日の出産に立ち会い、ケルシーさんの回復を十分に確認してから家を出てきたばかりなのにもう会いたい。
「愛してる。次会えるまで待っててね!」との伝言を残して、今夜の便でイギリスへ。
次週はアジアンツアーの「インターナショナルシリーズUK」に出るという。
「忙しい…!」と悲鳴をあげたが来月の初メジャーに向けてはちょうどいい下見。
「全英オープンに出るのは子供のころからの夢。この優勝でそれが実現して、信じられない気持ちです」と喜びを語り、「セントアンドリュースには、なんとか妻と娘を連れていけないものか……」。
ロン毛のパパが思案に揺れた。