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ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント 2022

時松隆光は負けても大感謝「これ以上の幸せはない」

2差に敗れていったんクラブハウスに引き上げた時松隆光(ときまつ・りゅうこう)が、急いでまた18番グリーンに戻ってきた。

 

表彰式に、麻生太郎・衆議院議員が参加されていると、スタッフから聞いた。

 時松が昨年まで2期つとめた選手会長時代に発足のきっかけを作ったこの新規大会では、ここ福岡県飯塚市に基盤を持つ麻生氏の理解と大きな尽力があった。

 「お礼を言わなければ」と、時松が慌てて駆け寄ると、「非常にいい大会だった」と、逆に労いをかけていただいた。

 隣にいた麻生健・大会実行委員長にも「選手のみなさんが白熱した試合ですごくいい大会にしてくださった。こちらのほうこそありがとうございます」と、逆にお礼を言われて胸がいっぱいになった。

 

「試合をやらしていただいて、主催者のみなさんに喜んでいただけること。選手にとって、これ以上の幸せはありません」。

深く頭を垂れた。

 

時松には改めて、家族への感謝を深める新規開催にもなった。


 


障がい者のみなさんを、ポジティブに表現する「チャレンジド」の名称を冠した本大会では開幕前日のプロアマ戦に、パラアスリートのみなさんを招待して交流。

時松は、世界障がい者ゴルフランキングで日本1位の吉田隼人さんらとプレーした。

「飛距離でも負けました」と、感服すると共に、「自分が健康で、今はこうして思い切りゴルフができているのは両親のおかげだと」。

 

先天性の心臓病がわかったのは、時松が生後4か月のときだ。

4歳で、手術に踏み切りその後も思春期まで経過観察が続き、ゴルフを始めたのも最初は健康維持のためにと、父・慊蔵(けんぞう)さんにクラブを持たされたのがきっかけだ。

 

それが今ではトッププロとして3勝を誇り、初優勝の2016年から今週まで129回のツアー連続出場は、宮本勝昌の151試合連続(2006年―2011年)に次ぐアイアン記録である。

 

最終日も地元の大ギャラリーに紛れてロープ際で、息子のプレーを熱心に見守る慊蔵(けんぞう)さんの姿。


「ここまで育ててくれた両親にも改めて感謝でいっぱいになりました」。

4年ぶりの通算4勝目は逃したが、次週に父の日を控えた新規大会で得たものはあまりに大きかった。


ドラえもんリュックがげんちゃんパパ。「お父さん、ありがとう」

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