2人に代表される2000ー2001年生まれの男子たちがいま、覚醒の気配を見せている。
予選ラウンドで中島と、憧れの石川遼を挟んで共に回った鈴木晃祐(すずき・こうすけ)は、2000年生まれ。
2日目を終えて、中島と共に通算11アンダーの2位で並び、中島と共に、プレー後の生中継ブースに呼ばれた。
中島は埼玉県出身で、鈴木は千葉県出身。
同じ関東地区で小学時代から互いを知る仲だが、当時の鈴木にとって中島は脅威でしかなかったという。
「中二の時、ジュニアの試合で自分が先に66で上がって。誰も越す選手がなかったので自分が優勝かな、と思っていたら、ケイタが最後に63で上がってきました」と、当時はただただ、観念するしかなかった相手と、この日は互角の9バーディ、1ボギーの「65」。
「僕もボギーフリーでいいゴルフができたと思いますけど、コウスケがめちゃくちゃバーディ獲ったので。自分はあんまり獲れてないんじゃないかという印象です」という中島を特に苦笑させたのは、鈴木の前半16番パー3だ。
4アイアンで打ったティショットは完璧にグリーンを捕らえてピンにまっすぐ。もうふた転がりもすればホールインワンだった。
「僕のコウスケのイメージはバーディマシン。ひとつ獲ったら止まらない。ああ、きょうもスイッチが入ったと思いました」と、中島を脱帽させたシーン。
前半3連続バーディの最初の14番では、鈴木本人すら「現実世界じゃないような・・・」と、表現した左8メートルの上り傾斜のバーディトライは「ポポン、と跳ねて入った」と、そこから猛チャージ。
同じ2000年生まれで、ミズノ契約選手の平田憲聖(ひらた・けんせい)が、鈴木について「よくゾーンに入る」と語った、まさに言葉どおりのこの日の鈴木のプレー。
「なんか・・・みんなに褒めてもらって嬉しいです」と、同学年から絶賛の雨あられに、鈴木は夢見心地になっていた。
中継ブースでは、中島と互いのスイングをVTRでチェック。
「ケイタはインパクト王子です」と、命名返しで「右のタメが凄い。右にひきつける感じが自分にはできない。力強さがすごいんです」と仰ぐ中島と、3日目も最終組で競うにことになった。
「ちっちゃいころから凄いとしか見ていなかった。ケイタと一緒に優勝争いできるのは嬉しい」と、喜ぶ。
昨年、史上初のアマ2勝で驚かせた、2001年生まれの蟬川泰果(せみかわ・たいが)は鈴木の大学同期。
「パターには自分も自信がありましたがケイタにも、タイガにも、飛距離や精度で少しずつ足りていない。どうやってついて行こうかと。常に思っていました」と、このオフは鍛えに鍛えて飛距離アップに成功。
「だいぶ近づけたかな・・・と思いますけどまだまだ隙がない」と、ここで一気に詰め寄る大チャンスだ。
QT30番目の今季、主戦場のABEMAツアーでは、早々に2連勝を達成できた。
「次はレギュラーで優勝を。明日以降もやることやって、優勝できたら嬉しいです」。
首位は3差で、1997年生まれの安森一貴(やすもり・かずき)が独走中。
生中継ブースで、「明日もコウスケと一緒にいいプレーをして、上との差を縮めていければ」と、隣の中島もクールに言った。