記事

〜全英への道〜ミズノオープン 2023

10年目のホストプロ。武藤俊憲「最終日こそ社長とかたい握手を」復活に賭ける

ベテランのブランドアンバサダーが、土曜日の猛チャージで恩人を喜ばせた。
武藤俊憲(むとう・としのり)が、きょうのベストスコアとなる「65」で回って8位タイに浮上。
4年ぶりのツアー通算8勝目と、11年ぶり2度目の聖地も視界に捉えた。


この日は、インコースの“裏”から出てスタートの10番で3連続バーディを奪うと、後半アウトに回って6番でイーグル。
7、8番では連続バーディなど通算2アンダーの33位タイから出て、通算9アンダーまで伸ばしてきた。


20ー21年に14年守った賞金シードを失い、今年はQT2番目の資格で復活を期すが、「開幕からずっと、良いとは言えないゴルフが続いている」と、寄せた眉間のシワは深い。

「クラブも変えた、ボールも変えた。去年から変えてないのはパターくらい」と現状を語る。


「きょう右に飛んだと思ったら、明日は左。修正できたな・・・と、思ったらまた別の症状が出る。ああでもない、こうでもないと、ゴルフが楽しくなかったです」と、今季だけでもすでにクラブを4セット変更。


悩みが深いほど痛感する。
「ああ、ミズノで良かった、と」。
どんな無茶な要望にもスタッフ総出で応えてくれる。
今大会主催のミズノ社と、アンバサダー契約を結んで今年でちょうど10年目。

「わがままばっかりで、みなさんほんと大変だと思います」と、スポンサーさんへの恐縮も、ある意味明日への大きな糧だ。



上位4人に出場資格がある今大会。「全英オープン」は、2012年のミュアフィールドで初舞台を踏んだが、当時はまだホストプロではなかった。

苦しみながら絞り出した3日目の好スコアに、一目散で駆けつけてくださった水野明人社長。

「明日も頑張って」と、温かい声に頷きながら思う。
「最終日こそ、かたい握手を社長が一番望んでいらっしゃる」。
不変の恩に、結果で応える。

関連記事