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東建ホームメイトカップ 2005
谷原秀人「アメリカでは、5アンダーではトップ20にも入れない」
行きつけの理髪店でやっと散髪できたことと「思い存分、日本語でプレーできること」。
大きな声ではいえないが、英語はまったく話せない。
髪型のオーダーは、微妙なニュアンスを伝えなくてはいけないから、知らない土地で理髪店に入るのはさすがに気がひけて、ずっと伸ばし放題だった。
「もんのすごい、ボサボサで。今回、帰国していなかったら、自分でバリカンで刈ってやろうって思っていたくらいひどかったんですよ」。
さっぱりとした頭で気分一新できたことがまずひとつ。
あと、向こうではラウンド中、だんまりを決め込んでいた。
相手の選手が世間バナシをしてきても、笑ってごまかしていた。
「そのうちみんな呆れ返って、必要なこと意外は何も話してこなくなっちゃいましたよ」。
だから今週は、久しぶりに日本語でプレーできることが嬉しくてたまらない。
前半のダブルボギーにも別段カリカリすることもなく、のびのびとしたゴルフで盛り返して通算5アンダー、首位タイでホールアウトだ。
アメリカで不便な生活が続いているものの、ホームシックにもかからず、しぶとく生き抜いている。
第2打以降も、ロングアイアンを多用しなければならない米ツアーのコースで苦労はしているが、海外の転戦生活は「楽しいッスよ」。
2週前からスイング改造にも着手し、マイペースで努力を続けている。
今大会が終われば、再び渡米し戦線に復帰する。
日本ツアーの開幕戦で優勝を飾れば、“自信”という手土産を持って帰れるが「でも、アメリカでは、5アンダーくらいではトップ20にも入れないですからね」。
自分に言い聞かせるように、話した。