今季、3年ぶりにシード選手として戦う竹安俊也（たけやす・しゅんや）が、怪物コースで「きょうは100回やっても出ないスコアで回れた」という4アンダーの「66」。
1差の単独首位に躍り出た。

前半2番でボギーが先行したが、5メートルを沈めた4番から3連続バーディが来た。

2アンダーでターンをした後半の見所は、再三の幸運に恵まれたこと。

ティショットが木に当たった14番でパーを拾い、12番ではカラーからパターでこの日5個目のバーディを獲り、17番ではまたティショットを木に当てたが、打てるところに出てきてまたラッキーなパーセーブができた。

プロ9年目だが未勝利で、単独トップに立つことすら初めて。

「明日からどうなるか･･･。もうめちゃくちゃ緊張してます」と、初日のプレーを終えたしりからもうシビれた。

「まだ4分の一が終わったばかり。意識しないことを意識しない」などと言葉遊びみたいな目標を、大まじめに掲げてニコニコしていた。

今年4度目の予選落ちを喫した先週の「Sansan KBCオーガスタ」は、ツアーで希少なコウライグリーンを言い訳に自分を慰め、ひたすらパット練習に励んだおかげで、「イップス気味･･･」と悲観していた手元の狂いもすっかり解消。

「イメージが凄くいい。今年一番入ってくれた」と、好発進につなげた。

3歳になる長男・永玖（とく）くんの顔写真をプリントしたマーカーをポケットに忍ばせて、ラウンド中も「可愛い･･･」と癒やされる子煩悩は、先月31日に生まれたばかりの次男・福（ふく）くんも生きがいに「赤ちゃんパワー。幸せを持ってきてくれた」と、噛みしめながらプレー。

お兄さんの影響で8歳からゴルフを始め、高校は地元兵庫を離れて茨城県の鹿島学園へ。大学は仙台の東北福祉に進み、4年時にプロ転向した。

日大出身の堀川未来夢（ほりかわ・みくむ）はジュニア期から仲が良く、特にシード復帰を目指していた2021年に、自身は予選落ちを喫した「ダンロップ・スリクソン福島オープン」で、自ら週末のキャディを買って出、得意のマネジメントを叩きこんでくれた恩人だ。

「あのときみくむが教えてくれたコースの攻め方や、心構えは今も糧」と、親友との絆も怪物コースで確実に生きている。

• 竹安 俊也