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アコムインターナショナル 2002
「タニよ! もう1日あったら、俺が勝っていた!」
あがり2ホールは、圧巻だった。
17番パー3では8メートル。
次の最終18番でも、8メートルのバーディパットを決め、47歳が、満員の観衆の前で、力のこもったガッツポーズを披露だ。
「タニ(谷口)に言っとけ! もう1日あったら、俺が勝っていた!」
前日の大会3日目は、早朝から激しい雨が降り中止。
競技は54ホールに短縮され、短期決戦となったが、もし、通常どおり4日間の大会ならば、“俺こそが今週のチャンピオンだった”と、吠えたのが中嶋だった。
通算14アンダーで、谷口と2打差の3位フィニッシュ。
これがまだ、3日目だったらどうなったかわからない、と言えるほどに、この日の中嶋は、自信に満ち溢れていた。
今週は、「新たな、発見もあった」という。
「チャレンジし甲斐のあるこのコースで、『ピンに向かっていこう』っていう、“精神的な発見”がね」
先週は、予選2日間を同組でラウンドしたジャンボ尾崎が復活優勝。
そして今回は、予選2日間を共にした谷口が優勝し、「俺が、みんなに、あふれ出る恵みを与えているんだ」と言ってはばからない。
そして、その中嶋自身も、先週に引き続き、今週も最終日にまくって、首位に猛追。
冒頭の中嶋のコメントには、その谷口が応戦した。
「中嶋さんに言ってください、“大会がもう1日あったら、僕がもっと大差をつけていました”って!(笑)」
ホールアウト後にも谷口をあおる中嶋の健啖ぶり。今年、完全復活をとげたトミーは、「これから、目の離せない選手が僕!」と高らかに宣言した。