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日本オープンゴルフ選手権競技 2002
「新聞などを見て、喜んでもらえれば…」
初日に首位に立った5月の日本プロ以来、今季2戦目のツアー。
「なんででしょうねえ、たま〜に出たときのほうがいいなんて。しかも今回はほとんど練習もできてない状況だったのに、そんな僕が、こんなところにいるなんて、申し訳ないくらいで…」と恐縮することしきりだ。
現在は、再びシード選手として活躍する夢を追いつつ、栃木県・太平洋クラブ益子コースで支配人業もこなす。
同コースの社長に、「プロゴルファーの目で、ぜひ、新しい風を吹き込んで」と請われ、先月9月に就任したばかりだ。
「支配人といっても、どう振舞えばいいかわからなくて。今はとにかく、お客さんのゴルフの悩みや相談におもしろおかしく答えたり(笑)慣れないネクタイしめて、毎日通ってますよ」
自分の練習は「後回し」という忙しい日々のかたわら、大会独自の予選会を突破しての、今週の出場だった。
1アンダー12位タイからスタートしたこの日2日目は、「わざと、グリーンを外す」作戦。
「こんなに小さく速いグリーン、僕の低い球は、届かせたらかえって大きなトラブルになる」と、17番パー3(224ヤード)でも、3アイアンで手前の花道狙いだ。
「それでも今日はピンチだらけ。ピンチのパーパットが不思議なくらい、ボコボコ入ってくれたからこの位置にいられるけれど、こんなどたばたしているゴルフで明日から、どうしよう!?」
「予選落ちも覚悟していた」という佐藤は、思いがけないV争いに戸惑うばかりだ。
過去に優勝経験もある。
決勝のプレッシャーが、いかほどのものかも知っている。
…それに、「コースを宣伝する」という、“支配人”としての責もある。
「不安だらけだけれど、この状況を楽しめれば。新聞などを見て、コースのみんなにも、喜んでもらいたいですしね」
週あけには、ぜひ、ビッグな手土産を持って、出勤したい。