3日目を終えて、ただひとり二桁の通算12アンダーは、2位のケネディと4打差。
5バーディ、3ボギーの2アンダーで、ただひとり3日連続60台をマークして、大差の単独首位を守った。
3打差つけてスタートした土曜日は、「すごく緊張した」というが、それも最初の3ホールだけ。
スタートの1番からドライバーを気持ち良く飛ばし、残り90ヤードを58度で3メートルにつけてバーディで出ると、最後18番も、ドライバーを気持ちよく振りぬきフェアウェイ真ん中から248ヤードの2打目もスプーンで迷わず2オン成功。
右5メートルのチャンスは「凄い速いんで・・・。結果距離はぴったりでもあのタッチで入れられるラインではなかった」と、惜しくも外した。
「イーグルパットが入ればもっと良かったですけど。明日につながるバーディが取れました」と、3日目の最終ホールもアマが沸かせた。
この日は太陽に恵まれたが、空気は冷たく、前日よりさらに強い風が舞い、揺れ惑う枝が枯れ松葉を無数に降らせた。
難条件は承知の上で「後悔しない攻め方を」と、積極的な攻略プランは、開催直前にきゅうきょキャディを頼んだ福井工業大付属福井高校時代の同級生の伊予翼(いよ・つばさ)さんと開幕前に決めていたことだ。
「アマチュアだし、来週QT(サード)だし、優勝しか意味ないね。ドライバーで攻めていこう」。
3アンダーで折り返した前半に対して、後半の1オーバーは「13番の3パットがもったいない」と、悔いる場面もあったが、いつも2人でニコニコ歩いた。
「今晩何食べる?とか他愛もない話し。ユウタは普段穏やかだけど、ゴルフのときはスイッチが入る感じ。オンオフがしっかりしている」と、伊予キャディ。
「せっかくこういうところでプレーできているのだから。楽しまなくちゃね」と、息を合わせて大舞台を歩く。
杉浦さんと最終日最終組で回ることになった中島啓太(なかじま・けいた)は、ナショナルチームの1学年先輩だが「みんなが自分をケイタさん、と呼ぶ中で、ユウタくんには唯一、ケイタくんと呼ばれる。凄いショットを打つけど、人柄は明るくて、凄く楽しい子」と、弟のことを話すみたいに中島も笑顔が伝播していた。
昨年の「日本オープン」は、プロの試合の最上位となる3位につけたが、史上初のアマ2勝を達成した蟬川泰果(せみかわ・たいが)とは9打差もつけられて、「自分も勝ちたい」と思いを募らせ、まずは今年9月のABEMAツアー「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジ in ふくしま」で、史上8人目のアマVを達成。
本大会の出場権を獲得した。
「今度は、レギュラーツアーで勝つのが目標」と、軽やかにステップを踏み、「アマチュアとして出場するほんとに最後の最後の試合で、勝つチャンスが来た。掴みたい。あと1日、積極的に攻めるゴルフをしていきたい」。
海外の招待選手も揃う50回大会で、初のアマVへ。
勝てば1977年の第4回を制したセベに次ぐ大会年少Vへ。
22歳が新たな伝説に挑む。