記事

つるやオープンゴルフトーナメント 2003

3位の秋葉真一と5位の佐々木久行が、先輩・後輩対決

ひと組前にホールアウトしてきた佐々木久行が、開口一番。 「くっそぉ〜!なんとか追いついて、明日は“秋葉”と一緒に回りたかったのになあ・・・」3打差つけられて、本当 に悔しそうだ。
2人の出会いは、秋葉が二十歳のときだった。入団したばかりの実業団野球チーム が、直後に倒産。一念発起で秋葉はプロの道を目指し、はじめに門を叩いたコースに すでに佐々木がいた。以来、師匠の河野光隆を挟んで、ともに練習を積んできた。 佐々木が1年先輩、後輩の間柄だ。

前日2日目は、ともに5位タイで並んでいたが、この日3日目は両者接戦の末、単独3位 で秋葉がリード。
「今日はずっと、秋葉に負けたくないって思いながらプレーしてたんだよ」と佐々木 が言えば、 「そんな…(苦笑)僕のほうが、佐々木さんに必死で追いつこうという感じでやって いただけなんですよ」と、秋葉はあくまで先輩をたてる。
6回の挑戦の末に、秋葉がプロテストに合格したころ、佐々木はすでにツアーの第一 戦で活躍していた。 まだ、試合にも出られなかった時代、佐々木のバッグを担いだこともある。
ツアー通算3勝の佐々木について「ずっと、僕の目標です」と、秋葉は言う。 「プレーのリズム、スイング・・・。すべてにおいて盗むべきところは多い。ほんとう に尊敬しています」
対する先輩は、後輩にライバル心を燃やしながらも、 「秋葉のオフの仕上がり具合がとても良いんです。もともとショットはうまいヤツ だったから、あとはパット次第というところだった。今週は新しいパターを手に入れ てそれがずいぶん良いみたいだから、・・・う〜ん、いいとこいけるんじゃないかな あ」と太鼓判。今季の後輩の活躍に、期待を寄せてもいるようだ。
最終日、最終組の秋葉のひと組前でまわることになった佐々木は「秋葉、キャッチし てやる!」と、宣戦布告。そのセリフに、『互いに刺激しあって上位を目指そう』と の気持ちを込めた。
そんな先輩の“メッセージ”には「そんな・・・すぐつかまっちゃいますよ」と、つい はぐらかした秋葉。欠点は、「すぐに周りを気にしすぎて、自分のゴルフを卑下して しまうところ」という。
しかし今年は、そんな自分を返上したい。 「周囲を意識せず、思い切ってやろう。そう決めています」。 先輩の“目”さえも気にせずに、堂々と初優勝を狙いたい。

関連記事