プロ17年目の37歳、木下裕太(きのした・ゆうた)に1日26ホールは確かにキツい。
まして、初日にやり残した8ホールのために、この日は早朝3時起き。
しかも、「あんまり寝れないタイプ。昨日も12時、1時ごろまでモゾモゾしていて。3時間しか寝ていない・・・」。
それでも、首位と暫定4差。
「1ラウンドが終わったあと5分ほど、車で仮眠したんです。それで2ホール分ほど貯金ができた」と、なんとかスタミナをつないで、上位で決勝進出した。
11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」は、「悪いショットが、OKバーディになってくれたり、このコースは好きな部類」と、ホームの利を生かしている。
昨年から始まった欧州共催は初出場だが、「まったく意気込んでいない」とベテランは大舞台でも自然体。
「海外選手も、むしろ大先輩の日本選手と回るほうが緊張します。まだ上下関係があった時代に育った。古い人間なのもので・・・」とニヤリと、「外人恐怖症もない、そこは強いと思います」と、胸を張る。
ただ、英語は不得手だ。
「まったく喋れないので」。
同伴選手とのコミュニケーションも、キャディさんと身振り手振りで単語を想像。
本大会で勝てば欧州ツアーの出場資格があるが「そもそも海外のやり方とか、エントリーとか分からないので。英語でばーっと見ても、いいやってなっちゃう。出れるなら、出てみたいけど嬉しい悲鳴」。
昨年の「バンテリン東海クラシック」で星野陸也と金谷拓実の最終組対決をかわして、5年ぶりの2勝目を飾った。
「今週も強い選手が来てますけどしめしめと、注目されないうちにそーっとね」。
欧州共催のV争いにもしれっと加わる算段だ。