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JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2024

カッピーこと河野祐輝が怪我の功名「64」

初日午前のリーダーボードに、会場がざわついた。
午後から出る選手は、みな「どゆこと?」と、首をかしげて出ていった。

プロ17年目の河野祐輝(こうの・ゆうき)が、本人も「何年ぶりか」と、首をかしげるボギーなしのラウンドで、8アンダーの「64」をマークした。

実はちょっと足を引きずってます…

前日水曜日の練習ラウンドでは絶不調だったそうだ。
それが、ふたを開ければ練習仲間の木下康平(きのした・こうへい)を1打しのぐ好発進だ。

「また嘘ついて…」と、木下は恨めしそうだったが、本人は「それどころじゃなかった」と打ち明けたのは、前半16番でのアクシデントだ。


    仲間の木下(右)も白目をむく好発進です


    今週は、電動カートのセルフプレーで「下をよくみていなかった」と、くぼみに足を取られて軸足にしている右足を捻挫してしまった。

    「足首のあたりがパキっていった。足が心配すぎて、スコアも気にならないくらい」と、その後は不安を覚えながらのプレーだったが、すぐ次の17番パー3ではティショットが70センチのべたピン。

    「そこから流れがよくなった。足をくじいたおかげで逆に力が抜けました」と、後半5つのバーディを加えた。
    左に曲げて林から出すだけだった6番では、10メートルものパットも決まった。
    「トラブルだったので、かなり嬉しいバーディでした」と、怪我の功名に恵まれまくり。

    「パットもめちゃくちゃよかったと、1番では3メートルもしのぐなどパット数「27」。2015年「日本プロ」以来となるボギーなしのゴルフで乗り切ると、中継局ABEMAのコメント欄が、一時「カッピー」の文字であふれた。

    「カピバラ」に似ていることから派生し、仲間内でついたあだ名だそうで、以前遊びに行った「富士サファリパーク」でカピバラ柄のコインをグリーン上で使うマーク代わりに購入したほど、本人もお気に入りだ。

    ちょっぴり足を引きずりながらも無事完走した“カッピー”。
    「ハーフターンで余裕がなかったので。やっと食べれます」と、サトウ食品のブースに飛び込み、サトウの切り餅をパクリ。
    「あっ、足治りましたよ!」と、スタッフさんに明るく笑ってみせる様子もカピバラ並みに愛嬌たっぷり。

    愛媛県の出身で、香川西高校の同級生にはツアー3勝の片岡大育(かたおか・だいすけ)がいる。
    卒業後に、1年の豪州留学を経て、2008年にプロ転向した。
    2012年にはABEMAツアー2勝で“賞金1位”に。翌年には賞金シードも獲得し、これから…というところでショットのイップスを発症。

    その後は出場機会にも恵まれず、QT72位の資格を持つ今季は今大会がレギュラー初出場だ。
    「参加することに意義がある」と、真摯に臨んだ初戦で、思いがけない好発進ができたが、「まずは足を治して4日間完走を目指します」と、プレー後はすぐツアー帯同の成瀬トレーナーのもとへ向かった。

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