各地区を代表するプロのプライドをかけて行われている。
各日の組み合わせ表にも、出身都道府県が記されてるので、観戦していただくファンのみなさまも、ご自身の地元プロという意識でより親しみを持って、ご覧いただけるようになっている。
その中でもとりわけ開催地・岐阜県を背負うプロと、その親近者のみなさまにはなおさらだ。
ロープの外からひときわ親しげな声を浴びながら回っているのが、プロ6年目の中山絹也(なかやま・けんや)だ。
生まれたのは三重県のいなべ市だが出身大学は、岐阜県関市にある中部学院。
「このコースもよく回らせていただいたり、学生時代からこのへんをうろちょろしていました」と、懐かしそうに笑う。
昨年まで行われていた大会予選会では一度も本戦突破をしたことがなかった。
地区ごとに変わった新予選会の中部地区予選でも結果7位は、終了時点ではカットライン上で敗退。
しかし、開催の2週前に、主催のPGAさんから繰り下がりの連絡を受けた。
「大会はこれが初出場なんですが、知っているコースなので、普段どおりやれているというのはある。チャンスを生かしてよい位置で決勝ラウンドに進めてよかったです」。
応援に来てくださった大学恩師らの前で、2日間通算5アンダーと好位置で予選突破ができたことを喜んだ。
プロ5年目の昨年、初のQTファイナルに進出し、23位で、メンバー資格を得て本格参戦1年目。
開幕戦東建ホームメイトカップで8位と、「ちょっとやれそうかな」と、よい滑り出しができたのもつかの間、2週前の選手会主催大会「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」では2試合連続で予選敗退していた。
「初めてのフル参戦。1年通して試合に出る感覚もなくて、自分の中で欲が出たりとか、予選落ちが続いて精神的にもダメージを受けたりとかありましたが調子は悪くない。先週、1週間のオフにまた、やれそうかな、という気持ちが出て来た」と、気分一新して戻った。
この日は、前半パーオンできずに、バンカー目玉になったりボギーを3つ先行させたが9番で190ヤードの2打目が入りかけ。
このOKバーディを呼び水に、後半の12番から3連続。
「切らさずにずっと我慢していたのが、つながった」と、ひとつ殻を破ることもできた。
日本一のひとつにも数えられる地域特有の猛暑も学生時代に嫌というほど経験してきた。
「傘をさしたり、日陰を歩いたりとか、あとはカーっとならないように。怒っちゃうとぼーっとしちゃう。冷静に冷静に。難しいコースなので1個1個大事に、最終的にはいい位置でやれたら」。
プレーを終えると、またあちこちから「ケンヤ、ナイス」の掛け声がかかった。
「ここは、第二の故郷という思いがある」と、自覚でいっぱい。
全国14地区から選ばれたご当地プロが、週末も地元の応援を背負って歩き切る。