神奈川県横須賀出身。
こよなく愛す地元球団「横浜DeNAベイスターズ」が3年連続のクライマックスシリーズ進出を決め、ラウンド中は巨人ファンの武田キャディと「負けませんよ!」「ムリムリ」などと、ラウンド中も野球談議で気分をアゲる。
自身も小学時代に少年野球に所属し、「アプローチの距離感にも通じる」と、今もたまにキャッチボールに興じるなど、ゴルフの役に立てている。
周囲も認める頑張り屋さんは今オフ、左手首の腱鞘炎を発症。
トレーナーさんから「頑張りすぎじゃない?」と言われて、今は打撃練習量を上手にセーブ。
かわりに、ジュニア時代から続けている野球のバットの素振りを多めにし、飛距離アップとスイングのバランス維持にと左打ちも練習ドリルに導入。
昨今の好調につなげている。
キリリと凛々しい太眉がトレードマークだが、性格は温和で人懐こい。
アマ時代の遠征中に、飛び込んだ飲食店で意気投合。礼儀正しい人柄にほれ込んだ店主が結成したファンクラブの会員は、今や30人を超えるという。
「石坂友宏」の名前を最初に売ったのは、コロナ禍で思いがけず出場チャンスを得たプロ初年度の2020年「ダンロップフェニックス」だ。
金谷拓実(かなや・たくみ)と、新人学生プロ対決という前代未聞のプレーオフで惜敗。
2位に敗れたが、初賞金シードは獲得できた。
「本来なら出られない試合にルーキーで出場させてもらえて、好きなゴルフで稼がせてもらえた。スポーツをやっててよかった、と思えた瞬間。あんなに嬉しいことはなかった」と、今も蘇る記憶は負けた悔しさより、プロで活躍させてもらえることの喜びだった。
「目指すところは優勝ですけど、今この15(アンダー)という数字で、20(アンダー)が見えてきているので。5つ伸ばして結果的に優勝できないならしょうがない」と、最終日もひたむきに、自身と向き合う。
「上手いだけでは勝てないし、勝っている選手にしかわからないこともあると思う。でも、いいゴルフをしようと意気込むよりは、今のままでいきたいなと思います」。
先月、誕生日を迎えたばかり。
素直な25歳のありのままでぶつかる。