昨年はセカンドQT落ちで、今年はファーストQTから挑戦している松田一将だが、この日は会心のゴルフを見せた。

８バーディ、２ボギーの66。今週投入した新しいパターがいきなり結果を出しバーディを量産した。

「平田憲聖のパターを全く真似て作ってもらいました。（笑）ミスヒットしても真っ直ぐ転がってくれるんですよね。安心感があります。上りのラインが、前のパターのときは最後に弱くなって切れたりしていたんですけど、新しいパターは直線性がありますね」。

松田は先週行われたサードQTで危うく敗退する危機だったが、最終日に５アンダーをマークして、ギリギリボーダーライン上でファイナルQTへの切符を掴んだ。松田には踏ん張らなければならない理由があった。それは妻であるプロゴルファーの新海美優が、今年は怪我が原因でプレーができない状況になっているからだ。今はツアー復帰を目指しているものの先は見えない状況で、来年は治療をしつつ、夫である松田を支えると言ってくれている。

「ファイナルQTに行けたことで、来年は無職じゃないねって言われました。（笑）自分のためじゃなくて妻のために頑張ります！」

誰かのために頑張れるときほど、不思議な力が作用するものだが、今週の松田には見えない後押しを背中で感じているのかもしれない。

• 松田 一将