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久光製薬KBCオーガスタ 2001

▼ 2日目、トピックス 「僕はスポーツ選手に向かないタイプ?!」

堺谷和将が弱気の虫返上で、上位をキープ

 最終18番パー5で、ピン手前7メートルに2オンしてバーディフィニッシュに「これで、今日は救われました」と胸を撫でおろした。
 というのも、前の3ホールで3連続ボギー。
 15番までに通算10アンダーでトップに抜け出したことで、守る気持ちが出た。
 「スプーンで振り切る」と決めていたティショットに迷いが出て、「ひとつ大きいクラブで軽めに」とドライバーに持ち替えたことがかえって、木の根元に打ち込むミスを招いた。
 「これで、すっかりしょげてしまった」と、ボギーが続き、気持ちを引きずったまま18番ホールにやってきたのだった。
 「でも、その18番でバーディが取れたから、まだ今日は、いいプレーだったと思えそうです」と笑顔の堺谷。

 自他共に認める、「マイナス志向」だ。
 たとえ、トーナメントリーダーに立っていても、「僕は、今日だけの男ですから」などといったふうに、いつも決まって弱気なコメントを発してしまう。
 それについて本人は、
 「心の奥では、かなり頑張りたいという気持ちはあるけど、外にむかって“やります!”と言うと、決まってダメになるような気がする。だから、つい、保険をかけてしまうんです。スポーツ選手には、もっとも向かないタイプかも(笑)」と自己分析した。

 それでも現在、735万円あまりを稼いで賞金ランク67位。今週、10位内に食い込めば、「昨年より2ヶ月ほど早く、賞金1000万円台に突入できて、楽になる」来季の“生活権”がかかっているだけに、いつまでも後ろ向きなままではいただけない。
 というわけで、2位タイスタートからのこの日2日目は、弱気な虫を吹き飛ばすため、「初日だけ良くても、お金はもらえないんだから…」と思うことで、気持ちを奮い立たせた。
 「おかげで、今日は1日、冷静なプレーができたと思う」
 首位を意識したあとの15番からの3ボギーは痛いが、通算8アンダー、2位タイフィニッシュには、ひとまず及第点。
 決勝ラウンドこそ前向きに、シード権の確保にとどまらず、ツアー初Vを狙ってほしいものだ。

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