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サントリーオープン 2001
「僕はまだまだ負けない!」
通算6アンダーでやってきた、18番パー4は、残り147ヤードの8アイアンでの第2打が、あわやカップインのOKバーディ。
「最後はもう少しで、入りそうだったけど・・・欲張ってはいけません。今日はこれで、充分でございます」バーディで締めくくり、2位タイに、芹澤は、満面の笑みだ。
「ゴルフ人生19年目」にして、「今、一番ボールが飛んでいる」という。
昨年の平均飛距離251ヤードが、今では、266ヤード。約15ヤード以上も伸び、これまで、必ず180ヤードは残していた、13番パー4(466ヤード)の第2打は、「残り150ヤード地点まで飛んでる・・・。もう、ゴルフが楽しくて仕方ないよ」と話す。
“飛ばない選手”で有名だった芹澤が、新しいクラブを手にして大変身を遂げた。 契約を結ぶ、セイコーのニューギア『S−YARD T9』。
今季開幕戦から使い初めたときは、これまでとのあまりの変化に戸惑って、「なかなか、成績には結びつけることができなかった」が、その変化は一目瞭然だった。
開幕戦で、一緒にまわったジャンボ尾崎とは、飛距離でほぼ並ぶときもあったそうで、「道具で飛ばすんじゃないよ」と嫌味を言われたほどだった。
ロフト角を下げ、フェースの向きを調整しながら、徐々に、使い勝手を覚え、ようやく、手ごたえが生まれてきた。
「ドロップ気味の、高いフェードボールが打てて、しかも飛ぶ。いままで、ドローボールでしか飛距離が出せないと思っていたけど、くつがえされました。実証されると、気持ちよく打てるもんですね。今日は、最後の18番以外、全部、フェードで攻めています」とゴキゲンだ。
今年7月のイーヤマカップで、弟分である宮本勝昌が、8月のサン・クロレラクラシックでは、藤田寛之が、優勝を飾った。
自身も、昨年の東建カップで、4年ぶりの優勝を遂げ、「俺はもうあれでいいよ」と言っていたが、若い2人の活躍にはやはり、メラメラ来るものがある。正確なショットと、絶妙のアプローチとパットに、さらに、飛距離を手に入れて、自信もある。
「試合では、なぜか負けるけど、練習では、絶対に2人に負けない。“あいつら、まだまだだな”って思うもん」と師匠としての意地をむき出しにしている。