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全英オープンのローカルルール
その分、従来のトーナメント以上に施設物が多くある。これらの施設物はゴルフ場には普段置いていないため、ルールを制定しているR&Aも柔軟にローカルルールを作って今大会に適用している。
また、各ツアー団体からルールを熟知したルールズ(競技委員)が約60名集まり、プレーする一組一組に1名ずつ帯同している。
これらの取り組みは、選手がどの組になっても同じ環境でプレーできるようにするためで、選手もルールで間違いを起こさないようになっている。
日本ゴルフツアー機構からルールズとして参加した山中博史専務理事代行はこう話す。「今回で全英オープンには7回来ていますが、例年以上にローカルルールが多く、今年が一番です。その分難しくなっています。」
今回の全英オープンの為に設けられたローカルルールは、なんと50個近くにも上る。
具体的な事例を挙げると、グリーン周りのスプリンクラーに関するルール。今大会はグリーン周りの芝が短くなっている。選手はコースの特徴を掴み、パッティングで転がしてアプローチする。その時に、選手が打つライン上にスプリンクラーがあれば、ドロップして打つことができる処置となる。
もっと身近な例で言えば、皆さんがよくテレビで見る18番ホール。今大会は左右両方にギャラリースタンドが設けられているが、右にあるグランドスタンド。このスタンド近くに行ったボールに対しては、スタンド内に入った場合と同じ処置でドロップゾーンから打つ事になる。
18番は499ヤードのパー4で、アゲンストの風が吹くと、ゆうに500ヤード以上に感じる難コース。その為、今大会でも既に20人を超える選手が、ショットのコントロールに苦しみ、このドロップゾーンを使っている。その一人には、世界ランキング1位になった事もあるビジェイ・シンも含まれている。
今夜の全英オープンは、ルールの面からもゴルフを観戦してみて下さい。