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つるやオープンゴルフトーナメント 2006

清水一浩が、自己ベストの単独3位

昨年のチャレンジトーナメントランク5位の資格で今季前半戦の出場権を持つ清水一浩が、自己ベストとなる単独3位に。

この週はずっとパッティングの調子が良く、手ごたえはあった。
最終日は課題のティショットも好調で、前半で3バーディを奪ってジワリと浮上。

いつもなら、ここで守ってしまうところだ。
「でも、そうするときっと余計にミスをする。スコアのことは考えず、思い切ってバーディを取りに行こう。後悔しないゴルフをしよう」そう決めて迎えたバック9。

16番パー3で、7メートルのチャンスを決めた。
17番パー5では、102ヤードの第2打をアプローチウェッジでピン1メートル。
最終18番は残り159ヤードの第2打を、7番アイアンでピンそば80センチにピタリとつけた。
これをねじこみ上がりの3連続バーディに、ふと気がつけばキャディの山岡侑香里さんが、号泣していた。

思いがけない出来事に、清水は動揺を隠せない。
「・・・俺が泣かしたわけじゃないっスよ」。
自己ベスト順位のこともそっちのけで、おろおろと手を振った。

現在、大阪・帝塚山学院の3年生の山岡さんが、トーナメントでバッグを担ぐのは初めての経験だった。
山の原ゴルフクラブはインターバルの傾斜が意外にきつく、今回、山岡さんはバッグをキャリーカートに乗せて運んでいたとはいえ、かなりの重労働だった。

おまけに、プロの歩行は思いのほか速い。
ついていくのが精一杯の状況なのに、そのうえ清水の足手まといにならないようと神経を尖らせどうしだったのだ。
「この4日間は、人生で一番働いた1週間」(山岡さん)。
その甲斐あって、清水が好成績を残したことで、18番ホールで張り詰めていた緊張の糸がたちまち緩んだ。
喜びと安堵で、胸がいっぱいになってしまったのだ。
「毎日、ほんとうに一生懸命頑張ってくれて。今週は、キャディさんのおかげだよ」。
そんな清水からのねぎらいの言葉に、再び溢れ出した涙はしばらく止まらなかった。

清水一浩プロフィール
1972年3月6日生まれの32歳、茨城県出身。
ゴルフを始めたのは13歳のときだ。ある日、保険会社代行を営む父・理至(ただし)さんが、ヘッドの先が壊れたお客さんの3番ウッドを持ち帰ったのを勝手に持ち出し、自宅前の野原で打ってみた。
「そしたら、あっという間に100ヤードくらい飛んでいってビックリ。テレビではどんなスポーツか知ってたけど、実際にそんなに飛ぶとは思わなくて。それ以来、病み付きになった」という。
法政大学ゴルフ部時代の同期に、横田真一や久保谷健一、桧垣繁正などがいる。
身長184センチ、体重82キロ、血液型A型。
ツアーデビューは1999年。今年は、昨年のチャレンジトーナメントランク5位の資格でツアー前半戦の出場権を手に入れた。
  • 「山岡さん(左)、18番のティからすでにウルウルしてたんです、びっくりしました〜!」(清水)

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