コースの特性を生かし、平塚哲二が初Vに意欲

　今週、風邪をひいた。
　熱があるような気がするが、「計ったら、よけい具合が悪くなりそうな気がするから」と、結局、計らずじまい。
　特に、うつむくと、ツーっと垂れてくる、鼻水がつらい。
　「パッティングで、集中しているときが、いちばん困ります」
　ホールアウト後も、鼻をすすりながら、1日を振り返った。
　そのせいというわけではないが、この日は、3パットが２回（うち1ホールはカラーから）。
　「ラインは読めているのに、打ててない。タッチが、合ってない感じです」。
　前半は、頭を悩ませながらのプレーだったが、それも、ラスト2ホールで吹き飛んだ。
　17番で、10メートルのバーディチャンスを沈めると、18番は、10メートルのイーグルチャンス。
　「登っているようで、下っている微妙なライン」を、絶妙のタッチでOK距離につけ、ギャラリースタンドを沸かせた。

　平塚にとって、強みなのが、鮎滝CCのコースの特性だ。
　ドライバーで飛ばすより、スプーンやアイアンで刻む、ピンポイントの攻めが要求されるコース。
　この日のドライビングディスタンスは、3日目終了時点で、5位と飛ばし屋の部類だが、「曲げてラフに入れて、ボギーを打つことも多いから」と、ドライバーショットへの苦手意識を口にする。
　だが今週、その苦手クラブをティショットで握るのは、たった4ホールだけ。
　「ほとんどで、得意なアイアンを持てるから、今週は崩れそうで、崩れてない。ちょっとは、僕に有利かな、と思っているんですよ」。
　得意分野を存分に発揮してこぎつけた最終日、最終組。デビューして初めての経験に、
　「ずっと、やってみたいと思っていた」と目を輝かせていた。

• 平塚 哲二