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ウッドワンオープン広島ゴルフトーナメント 2006
地元出身の川本圭三(かわもとけいそう)が4位タイ浮上
「・・・この顔で“ダディ”なんて恥ずかしいけど。子供が勝手に呼ぶもんで・・・」と照れつつ、差し出された小さなその手を、握り締めた。
4番からの4連続バーディは、5番、6番でチップイン。最終18番こそ「スタミナ不足」でティショットを左の池に打ち込みボギーを打ったが、この日の64は自己ベストスコアだ。
車でわずか20分の広島県・志和町出身。ここ八本松は、ジュニア時代から慣れ親しんできたコースで、いまの住まいは「さらに近い」西条市。
地元・応援団の前で、・・・とりわけ家族の前で「良いスコアが出せたことはほんとうに嬉しい」と、言って苦労人の35歳は、日に焼けた顔をほころばせた。
広島県瀬戸内高校には同期の田中秀道をはじめ、谷原秀人らいまやトッププレーヤーとして活躍する選手が多い。
だが、川本には、ツアーへの道は遠く険しいものだった。
92年にプロ転向するも、出場権さえ手に入れることができなかった。
ツアーでの生涯獲得賞金は、ファイナルQTランク49位でようやく資格を得た今季、5月の三菱ダイヤモンドカップゴルフ(69位)で稼いだ24万900円がすべてだ。
さやかさんと「共働き」で遠征費をまかないながら、やりくりしてきた。
今大会終了後、昨年のチャレンジツアー賞金ランク上位5人と昨年のファイナルクォリファングトーナメントで構成されている、シード権を持たない選手の出場優先順位の見直しがされるが、川本のリランキング順位は現在49位。
今週、結果が出せなければ、今年これから後半戦はほとんど出番が途絶えてしまうところだった。
2アンダー23位タイから「カットラインを気にしながら」スタートしたこの日2日目は、フロント9だけなら大会初日にSKが出したコースレコードを上回る29ストローク。
「ティショットが曲がってて苦しかったけど、今日はアイアンが良くて助かった。予選も無事通れたし、明日からは伸び伸びやりたい!」。
生涯2度目の予選通過は、4位タイと絶好の位置で決勝ラウンドに臨む。