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ダイヤモンドカップトーナメント 2002

「正々堂々と、ビリになる!!」ツアー初出場の大久保博元

この日はアウトコースを下見。ラウンドを前に、屈伸運動の大久保
 クォリファイング2度目の挑戦で、昨年、第1ステージを突破したものの「今のボクは、現在トップで活躍する人たちが、中学時代にしてきたことを、やっている途中」と、力の差は、本人がいちばん、承知している。
 だからこそ、主催者推薦によるツアー初出場にも気負いはなく、「何位になるとかいう目標より、ブービーに1打でも離されないように、だけを考えながら、正々堂々とビリになる!」と公言。
 むしろ、自分の順位より、大久保が気にかけるのは、本戦のギャラリーの数だった。
 かつて、巨人軍捕手として、スポットライトを浴びたプロ魂が、騒ぐ。
 今週、ツアーデビューを飾るデーブ大久保こと大久保博元が気にかけるのは、自分の順位より、本戦時のギャラリーの数だった。
 「明日から、たくさん、入ってくれるといいな。だって、プロは、お客さんに見てもらってなんぼでしょう。お客さんにお金をいただいて、ゴルフをさせてもらってるんですからね」
 プロ野球時代から、ファンには、こうアピールしてきた。
 「現場に来てください。グラウンドに来れば、野球の本当の面白さが分かります」
 競技がゴルフに変っても、その気持ちはまったく同じだ。

 現在、プロ野球解説としても活躍している大久保は、昨晩も、神宮球場で行われた巨人VSロッテ戦に行っていた。
 ゲームが終わると、ファンが次々駆け寄ってきて言ってくれた。
 『今週からゴルフに出るんだろ?応援行くから、頑張れよ!』
 野球時代のファンたちが、今週、大久保がこのダイヤモンドカップに出場することを、すでに知っていてくれたことが、むしょうに嬉しかったという。

 「おこがましいかもしれないけれど、ボクを通して、この大会のことを知ってくれた人がいたなんて、ほんとうにありがたいと思いました。この大会に出させてもらって、本当に良かったと思った。さらに、今週、ボクを見に来てくれたファンは、同時に、他のトッププレーヤーのゴルフも見てくれる。現場で楽しんでくれる人が増えるって、素晴らしい。生で見る、プロのプレーってすごいんですから」

 巨人の原監督からも、「デーブのゴルフ魂を見せて来い!」と激励を受けている。
 その他に現役、OB問わず「みんな、ゴルフが好きで、ゴルフ界に注目してるんですよ。若手のみなさんと一緒に、ツアーがもっと盛り上がるよう、頑張っていきたい」
 183センチ、110キロの大きな体躯と明るいキャラクターに、誰もが、ひきつけられる。大勢にギャラリーを引き連れて、今週、“デーブ”が、狭山を行く。

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