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ダイドードリンコ静岡オープン 2002
「輝君の前で、できたのがよかった」
今週が2002年、中嶋にとっての開幕戦。
「だから、もっと高いレベルで戦いたかったんだけど…この風は、かなりの負担、つらかったね」
この日、浜岡に吹き荒れた凄まじい強風は、3月はじめに痛めた右背筋痛には、いっそう堪えた。
「4日間、完走が目標」と割り切っていたとはいえ、3日目を終えて、44位タイでは、ストレスもたまる。
「もうちょっと、上のほうで戦わなくちゃ、このヤロー…(苦笑)って感じだよね…」
そんな鬱憤を、ほんの少し晴らしてくれたのは、ツアーでは3回目となる、この日14番でのホールインワンだ。
右フォローの風の中、振り切ったショットは、ピン手前2メートルのところで小さく2バウンドして、カップイン。中嶋は、思わず、持っていた8番アイアンを後ろにほおりなげ、ガッツポーズを繰り返していた。
「悪いなりにも、良いことがあって良かった。14番は、グリーンが見渡せるホール。ギャラリーのみなさんにも、喜んでもらえたことが、うれしかったんだ」
記念のボールは、中嶋自らの手で、この日、お父さんの貴司さんと、18ホールついて応援してくれたギャラリーの泊野輝(はくのあきら)くん(8歳)の手に。
「輝君の前で、ホールインワンできて、ほんとよかった」と中嶋は、満足そうに微笑んだ。
写真下 = ホールアウト後に記念のボールにサインをもらい、大事そうにボールを握り締めたまま、中嶋の顔をまぶしそうに見上げる輝君(中嶋の左隣、そのさらに左横が、お父さんの貴司さん)。なお、14番ホールは、ホールインワン賞該当ホール(17番、300万円)ではなかったが、中嶋には、主催のSBS静岡放送から、賞金20万円が贈られた。