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日本プロゴルフマッチプレー選手権プロミス杯 2001

「・・・いまは、なにかとてつもないものから、開放されたような気持ち」(チャンピオン、ディーン・ウィルソン)

 それまで、固く結ばれていた互いの口元が、一挙にほどけた。
 ウィルソンの1アップで迎えた、決勝35ホール目の17番。
 ウィルソンがバーディを奪って決着がつくと、2人は、笑顔で見つめあい、そして、きつく抱き合った。

 何度も交わした握手と抱擁。そこには、4日間の激闘を戦い抜いた者同士、互いをねぎらう気持ちに溢れていた。
 敗れた林が「ディーンは、自分のぺースを作るのが上手だね。すばらしい選手だ」と称えれば、ウィルソンも、「林さんは、最高にパットがうまい。あれは天才的だよ」と褒めちぎる。そのとき、両者の表情に、長い戦いを終えた充実感が滲んだ。

 36ホールのゲームは、2アップ以上のない、接戦だった。
 息詰まる展開に、「終った途端、力が抜けたよ。何かとてつもないものから、開放された気分だ」と、心地よい疲労感に、見をゆだねたウィルソン。
 「今はただ、ホっとしている。勝つって、いつでも、嬉しいもんだね・・・」と、2001年、マッチ王者の座に酔いしれていた。

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