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サトウ食品NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2002
「よく、一字違いって、言われマス」
「一緒にまわった選手に、よく“惜しいね”って、言われるんですよ」と照れくさそうに笑った。
人気俳優の“竹之内豊”と、1字違い。スコアボードで、ちょっと目をひく名前の堀之内豊は、今季ツアー本格参戦1年目だ。
昨年のファイナルQTランク52位で、少ないチャンスを生かし、確実に予選通過をしているが、いまひとつ、ピリっとこなかった。
ツアー会場を観察していると、コーチやトレーナーをつけて行動しているトップ選手が多いことを知った堀之内は、自分も一度、原点に帰るべき、と気が付いた。
オフを利用して、約2年ぶりに師匠の荻野寛見プロを尋ねてみた。
プロ転向後に所属先が変ったこともあり、しばらく遠ざかっていた師匠は、それでも、堀之内のベストスイングをちゃんと覚えていてくれて、以前よりバックスイングで左肩があきすぎている、との指摘をもらった。
「もともと、僕はドロー系なのに、最近は、ラインから右に出る球が多くて、怖かったんです。でも、師匠のアドバイスのおかげで、戻ってきました。今週も、思い切って振れてます」
元通りに回復したスイングで通算9アンダー、5位タイ浮上。
今季開幕時に決めた「毎日アンダーパーでまわってくる」とのノルマも、今週は日々着実に、こなしている。
「少ないチャンスを生かして、明日も、ひとつでも伸ばしたい」と臨む最終日は、“堀之内”の名を、世間に広める、チャンスでもある。