記事
NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2001
「昨日もおとといも、2時間しか寝てないんです…」
66、67、65、66=通算24アンダーという、驚異的なスコアとは裏腹に、今週の桧垣は、眠れぬ夜との戦いでもあった。
特に、初優勝を控えた前夜は、目をつぶれば、不吉な予感が首をもたげた。
悪いイメージを払拭しようと、18番で優勝カップを掲げた自分の姿を思い浮かべるのだが、「いつのまにか、カップを掲げているのが、レイコックや金城さんの顔とすりかわっていて…。結局、3日目の夜に引き続き、2時間しか眠れませんでした(笑)」
さすがに、最終日のバック9は寝不足が堪え、体は疲れきっていた。
それでも、前夜、電話で会話した兄・繁正の言葉を励みに踏ん張った。
99年のフジサンケイで初優勝を挙げるまでは、何度もチャンスを逃す経験もしてきた兄は、電話口で豪にこう言ったのだ。
『俺も何回か逆転負けとかしたけど、それはすべて、自分から崩れて負けたんや。自分がしっかりしていさえすれば、勝てる。おまえも、自滅だけはするんやないで!!』
この言葉が、桧垣の胸に届いた。
「兄ちゃんのおかげで、悪いイメージは払拭されましたね」
兄弟の絆がもたらした、初Vでもあった。
ようやくその兄に、ツアー1勝で並んだわけが、「次の2勝目が問題です」と桧垣。5つ上の兄と次に競うはツアー2勝目。兄弟2人の切磋琢磨は、続いていく。