記事
NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2001
「なるようにしかならない」単独2位の桧垣豪
だが、兄弟というよりは、「お互いに、パートナーと呼んだほうがいい」という2人の関係。
ともにツアーで戦い始めたころは、スィングチェックやメンタル面のアドバイスをし合っていたが、それもひとたび意見が合わなくなると、激しい口論になったことも、しばしばあったという。
それで最近は、簡単な技術チェック以外は、口を挟まないことに決めて、豪が独自で“コーチ探しの旅”を始めたのが昨年のこと。
「レッドベターや、ジム・マクリーン…ありとあらゆるコーチに当たりました。
コーチというコーチ、すべて行き尽くしましたね。
その結果は、飛距離が落ちたことと、球が曲がったことだけ…」
なかなか、良い先生にめぐり合えなかったが、10月。とうとう、「これは」という先生にめぐり合った。
それが、オーストラリアのケン・バーン氏だった。
「僕は、機械的にアドバイスされると、クラブが振れなくなってしまうんですが、バーン先生はフィーリング重視。想像力をかきたてる教え方をしてくれるからとても安心できるんです。
いちばん最近お会いしたのは、6月のイーヤマカップのとき。そのときは、『ボールをもっと前に飛ばせ』と教わりました」
成果が現れはじめている。
この日は、6バーディノーボギーの66、単独2位の好スタート。
11番、533ヤードのパー5では、思い切りのよいスィングで315ヤードのビッグドライブ。
スプーンでピン横10メートルにつけてバーディを奪った。
「そろそろ繁正のように、豪も…」との周囲から励ましの言葉が、最近とみに増えた。
「もちろん、僕もそうありたいけど・・・なるようにしかなりませんからね」と、最後は自分にいいきかせるようだった。